今日の私たちに求められるニューノーマルな生活様式。それは私生活だけでなく、カルビー株式会社を含め、多くの企業における働き方についても例外ではありません。リモートワークをはじめとし、サテライト業務、ワーケーション等、これまではあまり馴染みのなかったワークスタイルが推奨され、働き方改革が行われてきています。
テレワーク・在宅勤務導入の試みが様々な企業で行われ、多くの成功事例、失敗事例が世の中に共有されるようになってきました。
今回はカルビー株式会社によるニューノーマルの働き方「Calbee New Workstyle」と独自の「社”無い”文化」について徹底解説していきます。
カルビー社働き方改革の概要
カルビー株式会社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を踏まえたニューノーマルの働き方「Calbee New Workstyle」を2020年7月1日から、オフィス勤務の社員約800人を対象に適用しました。対象となった社員は、これまで大切にしてきた「仕事の現場最優先の考え」に基づき、モバイルワーク、リモートワークを原則として作業の質と効率を上げ、成果を追及しています。
カルビーは2014年に在宅勤務制度を開始し、2017年には利用日数と場所の制限をなくした「モバイルワーク制度」を導入しました。これら制度の利用者は、これまで全社員の一部に留まっていましたが、2020年3月新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大と予防のため、オフィス勤務者を原則在宅勤務としました。今回の「Calbee New Workstyle」の導入によってモバイルワークを基本とした働き方が無期限で延長されました。
モバイルワークを徹底した働き方改革の結果、社員の通勤時間の削減、新しいコミュニケーションスタイルの浸透、ITによる業務効率化等のメリットが顕在化していると発表しました。
以下では、カルビーの新しい働き方「Calbee New Workstyle」とカルビー独自の文化「社”無い”文化」について解説していきます。
- Calbee New Workstyle
- 社”無い”文化
Calbee New Workstyle
カルビーは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を踏まえ、2020年7月1日から従来までの働き方を一新する「Calbee New Workstyle」を導入しました。以下はこの「Calbee New Workstyle」の3つのポイントです。
- モバイルワークの標準化とフルフレックス制度の導入
- 単身赴任の解除
- 通勤定期代の支給廃止とモバイルワーク手当支給
モバイルワークの標準化とフルフレックス制度の導入
カルビーはオフィス勤務社員を出社勤務ではなく、新しい働き方として原則モバイルワークとしました。オフィスへは、創造性や効率性の向上を目的とした場合、また直接の意思疎通が必要な場合に出社することとしました。フルフレックス制度の導入により、従来までのフレックス勤務のコアタイムを廃止し、より柔軟で個人のスタイルにあう働き方を提案しています。
結果として出社率30%前後を目安としています。
単身赴任の解除
モバイルワークを基本した結果、業務に支障がない旨を所属部門が認めた場合は、単身赴任を解除することを発表しました。
今日の働き方改革により、働く場所における必要性が再考されています。カルビーの単身赴任解除のように、働き方改革を通してライフスタイルも個人に合わせて変えていけるようになってきています。
通勤定期代の支給停止とモバイルワーク手当の支給
通勤定期代に替わり、オフィス出社時の交通費を実費で支給することを発表しました。また、「モバイルワーク手当」を新設し、モバイルワークの環境整備に必要な費用を一部補助することも発表しました。
これら通勤定期代の支給停止や在宅勤務手当てを導入する企業も増えてきており、富士通株式会社もその一例です。
参考資料:ニューノーマルにおける新たな働き方「Work Life Shift」を推進(富士通)
社”無い”文化
カルビーには、従業員が健やかな人生を送るための制度や文化が多くあります。「社”無い”文化」は既存の物事を”無く”した結果、働きやすさが”ある”というカルビー独自の文化です。
以下ではその詳細を説明していきます。
決まった席が”無い”
カルビーは働き方改革の一環として、上述の通りフリーアドレス制度を採用しています。本社オフィスにおいて役員も例外なく自分の固定席を持たず、出社時に入り口に設置されたダーツシステムにアクセスすることで、その日の席が自動的に決定されます。これによりフリーアドレス制度の一般的な問題点であった、席の固定化を回避しています。
席の種類は、1人で集中して仕事ができる仕切り付きの「ソロ席」、他との接触を一切絶ち、より集中できる「集中席」、コミュニケーションの取りやすい4人掛けの「コミュニケーション席」など、個々のワークスタイルやその日の業務内容によって、自由に選択できます。役員もこの制度に該当し、部門や役職を越えてコミュニケーションを増やしすことで、アイデアの創出を促す工夫がなされています。
決まった出社時間が”無い”
カルビー社は、以前よりコアタイムを10時~15時としたフレックスタイム制度を採用していましたが、2020年7月1日から導入された「Calbee New Workstyle」により、コアタイムが廃止されました。また、カルビー社は営業職の社員を中心に「直行直帰」のワークスタイルを推進しており、より柔軟なワークスタイルと働き方を推奨しています。
勤務時をずらして早朝の通勤ラッシュを避けることができることや、個人が時間配分を行うことで、勤務の効率化や残業の軽減につなげる狙いがあります。
会社に来る必要が”無い”
カルビー社は、モバイルワーク制度を採用しています。オフィスに限らず、自宅や近所のカフェなど、場所を問わずに勤務することができます。その日の業務によって働く場所を選択することで、通勤時間の削減や、介護や育児、家事との両立、時間の有効活用を促す狙いがあり、ワークライフバランスの向上が期待されています。
役職名が呼ぶ文化が”無い”
カルビー社では、「○○課長」や「○○部長」といった役職名で呼ぶ文化がなく、「○○さん」をはじめとする役職名を抜いた名字で呼び合う文化があります。これは、代表取締役兼CEOの伊藤氏を中心とした経営層についても例外ではありません。「大切なのは、役職や立場ではなく、その人自身が何を考え、何を成し遂げてきたか。」というカルビー社の考え方がこの文化に表れています。
これまでに縛られる必要が”無い”
「出社時間」や「オフィスへの出勤」「役職呼び」など、さまざまなものが無いカルビー社において、最も”無い”ものは「これまでに縛られる必要」です。変革と挑戦を志すカルビー社では、前例や慣習こそがイノベーションの妨げになると考えています。組織のため必要だと考えたものであるなら、どんな変革でも意見することができます。フリーアドレス制のため、経営層、幹部社員へもすぐに意見ができる環境が整っています。挑戦と変革を推進するカルチャーこそ、カルビー社、社”無い”文化の最も大きな特徴と言っても過言ではありません。
まとめ
今回は、カルビー株式会社の働き方改革についてご紹介、解説しました。
参考資料:
カルビー コロナを機にオフィス勤務者のモバイルワークを標準化
次世代採用ナビでは、これまでも様々な企業の働き方についてご紹介してきました。以下も併せてご参照頂ければ幸いです。