次世代採用のキーワードとして、次世代採用ナビでは「採用管理システム（通称：ATS）」についての情報をこれまでに配信しております。今回はすでに多くの企業で導入実績のある採用管理システム（ATS）のサービスをより具体的に取り上げ、詳しく比較、その違いや特徴、おすすめできるポイントを解説します。
次世代採用ナビでは、採用管理システムの比較記事を掲載しておりますので、「採用管理システム（ATS）」カテゴリから記事をお読みください。
今回ご紹介するのは、多機能な採用管理システムを完全無料で利用できる「Hirehub（エン・ジャパン株式会社）」と、使いやすさと堅牢なセキュリティで定評のある「採用一括かんりくん（株式会社Roots）」の2社サービスを比較します。
採用管理システムとは
採用管理システムとは、（Applicant：応募者、Tracking ：追跡、System：システム）の略で、具体的な機能として、
- 求人作成及び投稿
- 応募情報管理
- 候補者情報／選考進捗管理
- 面接日程調整
- 選考プロセス社内共有
- 採用合否連絡
- 選考結果通知
これらをシステム一括で管理可能で、人材採用の手間やコストが大幅に改善されるシステムを指します。2020年現在、採用管理システムは50以上のサービスが展開されており、機能も多岐に渡るため、実際にどのサービスを使えば良いか、ATSごとの違いを明確に判断するのが難しいです。
そこで本記事では、日本国内の採用管理システムの2大サービス、 「Hirehub（エン・ジャパン株式会社）」と、「採用一括かんりくん（株式会社Roots）」 をご紹介します。
Hirehub（ハイヤーハブ）の特徴
【主な機能概要】
・応募者管理
・選考管理
・候補者評価機能
・面接日程の調整
・メッセージ（メール）機能
・人材エージェントからの推薦を自動化
・複数の求人メディアからの応募者を自動取り込み
・「engage」（エン・ジャパン株式会社）との連携
Hirehub（ハイヤーハブ）の特徴といえば、多機能な採用管理システムを完全に無料で利用できることです。Hirehub自体は採用管理に特化しているため、自社の求人サイトを作成する機能などはありません。しかし、同じエン・ジャパン株式会社が運営している「engage」との併用で採用管理＋求人サイト（求人広告）の作成が行えます。もちろん「engage」も無料で利用できます。
Hirehub単体では、複数のengageアカウントを紐づけたり、様々なメディアや人材紹介会社からの応募者を一元管理できます。一つのサービスに複数の機能が盛り込まれていると、かえってややこしくなってしまいがちですが、「Hirehub」「engage」とサービスを分割して提供することでユーザビリティを向上させる配慮が感じられます。Hirehubは、エン・ジャパン株式会社がこれまで人材業界で培ってきたノウハウを投入して開発された採用管理システムです。
なお、「Hirehub」の利用には「engage」のアカウントが必須となっています。
採用一括かんりくん
【主な機能概要】
・応募者管理
・選考管理
・評価シートの作成
・メッセージ（メール）機能
・採用サイト作成（オプション）
・slack・chatworkと連携（API連携※）
・LINEとの連携（API連携※）
・Google・outlookのカレンダーと連携（API連携※）
・スカウト機能
・辞退防止アンケート
採用一括かんりくんの特徴は、何といってもその機能の多彩さにあります。採用管理システム（ATS）としての基本的な機能（選考管理や応募管理、データ分析関連の機能など）はもちろんのこと、 Google・outlookのカレンダー、slack・chatwork・LINEのAPI連携機能が利用できます。辞退防止アンケートはAIによるアンケート分析で応募者の事態危険度を知らせてくれる機能です。
採用一括かんりくんの導入によって、採用活動に必要な機能が一通り揃えられます。オプション機能として「内定者まもるくん」というサービスも運営しており、株式会社Rootsのサービスだけで採用活動から内定後のフォローまで完結させることが可能です。
API連携（補足）
※API（アプリケーション プログラム インターフェイス）とは、利用システムと他社のシステムを連携したり、外部サービスから一部機能を呼び出したりすることです。（例：Googleカレンダーと連携、LINEとの連携で応募者と面接調整）例えば、面接調整をメールで行うとタイムラグが生まれてしまいますが、LINEとの連携を活用することでタイムリーに候補者とコンタクトが取れます。
機能一覧比較表
「Hirehub（エン・ジャパン株式会社）」と「採用一括かんりくん（株式会社Roots）」 の機能を比較してみると、完全無料で利用できる「Hirehub」は基本的な機能は充実していますが、API連携機能に関しては有料の「採用一括かんりくん」に軍配が上がります。また、求人ページ作成～選考管理を別々のサービスの併用で行う「engage」＋「Hirehub」の方式と、一つのサービスで行う「採用一括かんりくん」の方式とで使用感の好みが分かれそうです。
価格比較
Hirehub（ハイヤーハブ）
Hirehub（ハイヤーハブ）は、全ての機能を無料で使用できます。採用が決まった後なども追加で料金が発生することが無く、安心して利用できます。
なお、「Hirehub」と併用が必須のサービス、「engage」も無料となっています。
採用一括かんりくん
採用一括かんりくんは、3つのプランから選択して利用できます。最上位のスタンダードプランは全ての機能を使うことができ、中間にあたるシンプルプランには、アンケート機能やカレンダー連携など、あると便利な機能が除外されています。最安プランであるライトプランには、さらにLINE連携機能がありません。
下図は各プランの機能比較表です。
2社の比較をすると、
Hirehub・・・・・・・・無料
採用一括かんりくん・・・ライトプラン月額20,000円～
シンプルプラン月額25,000円～する
スタンダードプラン月額55,000円～
と差があります。
「Hirehub」は完全無料で利用できますが、他方で有料の「採用一括かんりくん」はGoogle・outlookのカレンダー、slack・chatwork・LINEとの強力なAPI連携機能が利用できるなど、利用方法によっては決め手となるような機能の有無に違いがあります。
ですので、かかる費用と機能のバランスを見つつ、長期的な視点でのサービス選定を行うことをおすすめします。
採用管理システム（ATS）を選ぶ際のポイント
採用管理システム(ATS)には様々なタイプのものが存在します。求人ページの作成から内定後のフォローまで一貫して管理できるオールインワンタイプのものや、応募者情報の管理や分析に特化したもの、SNSとの連携を強化して現代人の日常に違和感なく適合するよう工夫されたもの、動画を用いた採用形式など個性的な特徴を強く押し出すものなどです。さらに完全に無料で利用できるサービスもあれば、月額で数十万円かかるサービスもあります。他にも契約してからすぐに使えるものもあれば、数週間待たなければならないものもあり、スケジュールのすり合わせが必要なこともあります。
現在巷にある50以上の採用管理システムから自社に合うものを選定するのはなかなかに大変なことと思います。そこでおすすめしたいATSの選定方法ですが、まずはATSが対象としているターゲットで絞り込むことです。採用管理システムは、新卒採用/中途採用/アルバート・パート採用のそれぞれのターゲットに特化しているサービスがあり、自社の採用ターゲットと合わないATSは除外できます。次に自社の採用方法と適合しないATSも除外します。例えば、対面形式の説明会から始まる採用活動を行うことが決まっている場合は、動画配信に特化した採用管理システムを使用する理由はありません。
このように、ターゲットと採用方法から採用管理システムを絞り込み、最後に料金と機能のバランスを見ながら決められることをおすすめします。採用管理システムごとに機能の違いや特色を比較していくと、自社には必要の無い機能ばかりであったり、逆に、完全無料のサービスで一見お得に見えても、必要な機能が実装されていないケースもあります。
採用管理システムの選定は、企業にとっても大きな決断の一つです。採用管理システムの運営企業は、導入者が事前に疑問点などを解消できるようお問い合わせが無料の場合がほとんどですので、有効にご活用ください。
まとめ
今回は、採用管理システム（ATS）の大手2社、「Hirehub（ハイヤーハブ）」と「採用一括かんりくん」の比較を解説致しました。
各サービスの特徴や価格帯を比較し、自社にあった採用計画、採用管理システム導入を検討されることをおススメします。
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