次世代採用のキーワードとして、次世代採用ナビでは「採用管理システム(通称:ATS)」に関する情報をこれまでに配信しております。今回はすでに多くの企業で導入実績がある採用管理システム(ATS)のサービスをより具体的に取り上げ、機能や価格を詳しく比較、その違いや特徴、おすすめできるポイントを解説します。
今回ご紹介するのは、オリジナルの採用サイトを簡単に作成し運営できる「GoQ採用管理」(株式会社GoQSystem)と、LINEとの連携をフルに活用し新卒採用を成功に導く「Reworks cloud」(株式会社リアライブ)です。それぞれ異なる特色を持つ、2つの採用管理システム(ATS)を比較・検証します。
採用管理システムとは
採用管理システムとは、(Applicant:応募者、Tracking :追跡、System:システム)の略で、具体的な機能として、
- 求人作成及び投稿
- 応募情報管理
- 候補者情報/選考進捗管理
- 面接日程調整
- 選考プロセス社内共有
- 採用合否連絡
- 選考結果通知
これらのシステムを一括で管理可能で、人材採用の手間やコストが大幅に改善されるシステムを指します。2020年現在、採用管理システムは50以上のサービスが展開されており、機能も多岐に渡るため、実際にどのサービスを使えば良のか、その違いを判断するのも大変です。
そこで本記事では、 日本国内の採用管理システムの2大サービス、 「GoQ採用管理」(株式会社GoQSystem)と「Reworks cloud」(株式会社リアライブ)をご紹介します。
GoQ採用管理の特徴
【主な機能概要】
・採用サイトの簡単作成
・採用サイトをIndeedに掲載
・応募者情報の管理
・採用業務の一括管理
・書類作成(内定通知書など)
・書類保管(履歴書など)
採用サイトを簡単な操作で作成できる採用管理システム(ATS)がHR PRIMEです。大学生のLINE利用率は2020年現在で96%で、新卒応募者のほぼ全員が使用しているSNSであることから、新卒採用のツールにLINEを選択することは非常に合理的だと言えます。電話やメールでの連絡よりもLINEでの連絡のほうが手軽で、それはプライベートに限った話ではありません。LINEをフル活用したATS、HR PRIMEの導入後に選考参加者数が3.5倍になったり、返信率が2倍になった事例が、導入企業から報告されているそうです。
HR PRIMEは、応募者の情報や選考状況などを一元管理できる明快でわかりやすい操作性を備えていますが、このATSの真の強みは選考管理ですらLINEで完結してしまえる点にあります。他のシステムとの併用はどうしても管理が複雑化してしまいがちですが、普段から使い慣れているLINEで採用活動の多くに対応できることは、就職活動中の学生のみならず採用担当者にとっても喜ばしいことです。日程調整機能をLINEに最適化させる独自機能の実装で、今まで多くの手間をかけていた日程調整業務の工数を40%も削減できました。
HR PRIMEは就職活動中の学生にとっても、企業の採用担当者にとっても非常につかいやすいATSとなっています。
Reworks cloudの特徴
【主な機能概要】
・説明会の撮影・配信(webセミナー配信)
・テスト・アンケート機能
・学習機能によるアンケート結果の集計
・アカウント管理機能
・動画視聴履歴・アンケート履歴のCSV化
数ある採用管理システム(ATS)の中でも、他社とは一味違ったアプローチをしているのがLePMOSです。LePMOSは、会社説明会を動画撮影し、その様子をwebセミナーとして配信するシステムです。webセミナーを視聴した学生は、LePMOSで作成されたアンケートに回答し、アンケート結果をもとにAIが理解度を判別します。そしてアンケートの理解度が高い学生だけが次の選考フェーズに進めます。
動画を用いた選考の利点は、遠方の学生でも選考を受けることができる点や、webセミナーの理解度が高い=企業への理解度が高い学生を採用できる点にあり、より企業にとって望ましい新入社員を採用できる可能性が上がります。さらに、会社説明会の回数自体を減らすことで学生・企業側の双方の負担を減らすことができます。また、学生にとっては無料のwebセミナーを自宅でも視聴できるため、移動費やスーツの準備などの費用が発生しないことも歓迎されるポイントでしょう。
LePMOSは、動画配信を選考に組み込むことを既に考えておられる採用担当者様にはもちろんおすすめのATSですが、前述したようにwebセミナー形式の採用活動にはメリットが多くあります。また、2020年にはコロナウィルス(COVID-19)の影響もあり、webセミナー形式の選考は今後ますます需要が高まることが予測されます。webセミナーが選考形式の主流になることも十分に考えられるため、今のうちにLePMOSをはじめとしたwebセミナー対応の採用管理システムをチェックされることをおすすめします。
API連携(補足)
※API(アプリケーション プログラム インターフェイス)とは、利用するシステムと他社のシステムを連携したり、外部サービスから一部機能を呼び出したりすることです。(例:Googleカレンダーと連携、LINEとの連携で応募者と面接調整)例えば、面接調整をメールで行うとタイムラグが生まれてしまいますが、LINEとの連携でタイムリーに候補者とコンタクトが取れます。
機能一覧表
GoQ採用管理 (株式会社GoQSystem)
Reworks cloud(株式会社リアライブ)
「HR PRIME」はLINEを利用した採用活動、「LePMOS」は動画を利用した採用活動と、一口に新卒採用特化型のATSと言ってもサービス内容の違いが大きな両サービス。ですので、単純な料金の比較だけではなく、自社にとってより適切なサービスはどのようなものなのかあらかじめイメージを持っておくことが重要です。 そのためにも、各サービスの違いをまずは機能面から比較することをおすすめします。
価格比較
GoQ採用管理
プランと価格:月額35,000円~(初期費用無料)
Reworks cloud
「HR PRIME」は月額35,000円から利用可能です。この価格は、LINEを新卒採用に特化させた採用管理システムの中では最安値です。それに加えて、初期費用は無料で利用できます。
プランと価格:シンプルプラン(3カ月)・・・40万円(初期費用含む)
年間プラン(12カ月)・・・70万円(初期費用含む)
「LePMOS」は2つのプランから選択できます。3カ月利用のシンプルプランは40万円から、通年利用は70万円からです。なお、初期設定の費用はこちらの料金に既に組み込まれている形となっており、わかりやすい料金設定となっています。
採用管理システム(ATS)を選ぶ際のポイント
採用管理システム(ATS)には様々なタイプのものが存在します。求人ページの作成から内定後のフォローまで一貫して管理できるオールインワンタイプのものや、応募者情報の管理や分析に特化したもの、SNSとの連携を強化して現代人の日常に違和感なく適合するよう工夫されたもの、動画を用いた採用形式など個性的な特徴を強く押し出すものなどです。さらに完全に無料で利用できるサービスもあれば、月額で数十万円かかるサービスもあります。他にも契約してからすぐに使えるものもあれば、数週間待たなければならないものもあり、スケジュールのすり合わせが必要なこともあります。
現在巷にある50以上の採用管理システムから自社に合うものを選定するのはなかなかに大変なことと思います。そこでおすすめしたいATSの選定方法ですが、まずはATSが対象としているターゲットで絞り込むことです。採用管理システムは、新卒採用/中途採用/アルバート・パート採用のそれぞれのターゲットに特化しているサービスがあり、自社の採用ターゲットと合わないATSは除外できます。次に自社の採用方法と適合しないATSも除外します。例えば、対面形式の説明会から始まる採用活動を行うことが決まっている場合は、動画配信に特化した採用管理システムを使用する理由はありません。
このように、ターゲットと採用方法から採用管理システムを絞り込み、最後に料金と機能のバランスを見ながら決められることをおすすめします。採用管理システムごとに機能の違いや特色を比較していくと、自社には必要の無い機能ばかりであったり、逆に、完全無料のサービスで一見お得に見えても、必要な機能が実装されていないケースもあります。
採用管理システムの選定は、企業にとっても大きな決断の一つです。採用管理システムの運営企業は、導入者が事前に疑問点などを解消できるようお問い合わせが無料の場合がほとんどですので、有効にご活用ください。
まとめ
今回は、新卒採用に特化した採用管理システム(ATS)2社、「HR PRIME」と「LePMOS」の比較を解説致しました。
各サービスの特徴や費用を比較し、自社にあった採用計画、採用管理システム導入を検討されることをおススメします。