外国人社員の引越し‐企業に必要な手続きとは?|【5分で分かる基礎知識】

外国人社員の引越し‐企業に必要な手続きとは?|【5分で分かる基礎知識】

総務省統計局の「住民基本台帳人口移動報告」によると、日本国内の外国人の都道府県間移動者数は21万7754人と報告されています。今後も外国人労働者の流入により増加することが予想されます。

雇用している外国人が引越しなどで住所を変更した場合、企業として必要な手続きはあるのでしょうか。その企業の実務担当者と、該当外国人でそれぞれやらなければいけないことがあります。今回は外国人労働者が引越しをする際に企業の実務担当者とその外国人に必要な手続きについてお伝えします。

【企業側】実務担当者に必要な手続き

下記の手続きが必要になります。

  • 社会保険の手続き
  • 地方出入国在留管理局への届け出

社会保険の手続きとは

自社で雇用している外国人従業員が引越しをした場合は日本人従業員と同様に、「被保険者住所届」が必要になります。下記に該当する際は提出する必要は原則としてありません。

マイナンバーと基礎年金番号が結びついている被保険者であれば、原則届出は不要です。マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない被保険者、マイナンバーを有していない海外居住者、短期在留外国人が住所を変更した場合、速やかに変更後の住所を事業主に申し出なければなりません。

引用元:「従業員及び被扶養配偶者の住所に変更があったときの手続き」日本年金機構

もし上記引用に該当せず、かつ当該外国人に「国民年金第3号被保険者」となる配偶者がいる場合には、本人だけでなく家族の「住所変更届」も併せて行います。変更届を記載するのは、外国人本人です。ただ、外国人にとって書き方がわからない点も多いと予想されます。可能な限り、人事労務担当者が内容の理解や記入について支援することが理想です。

記入後は、人事労務担当者が内容を確認し管轄の年金事務所になるべく早く提出します。提出方法は下記のいずれかで行います。

  • 電子申請
  • 郵送
  • 窓口に持参する

インターネット経由(電子申請)で上記の申請ができます。
詳細は下記をご覧ください。
参考:「電子申請 (e-Gov)」日本年金機構

電子申請をする場合は、「電子証明書」を取得するなどの手続きや設定を事前にする必要がありますのでご留意ください。また、所定の届け出用紙で提出する以外にもCDやDVDなどの電子媒体でも可能です。ただ、配偶者の住所変更届は電子媒体では提出できません。

出入国在留管理局への届け出とは

出入国在留管理局への届け出は、外国人本人する必要があります。しかし、雇用している会社の実務担当者として理解しておく必要あります。また可能であれば届け出の必要性の周知や、そのフォローなどをすることが求められます。

【外国人側】本人がする必要がある手続き

下記の手続きが必要になります。

  • 市区町村村役場への届け出
  • 出入国在留管理局への届け出

市区町村村役場への届け出とは

引越しの際、日本人も同様に必要な手続きである「転出届」と「転入届」をお伝えします。同じ市区町村の場合は「転居届」のみ提出します。しかし、異なる市区町村に引越しをする場合は今まで住んでいた市区町村の役場に「転出届」を提出し、新たに住み始める市区町村の役場に「転入届」を提出します。

外国人の場合は、必ず各個人に1枚所持している「在留カード」の裏面に、現住所を記載する必要があります。「転居届」や「転入届」の提出の際に「在留カード」の住所変更手続きも併せて申請しましょう。

「転居届」と「転入届」は、住所変更した日から14日以内に管轄の役場(市役所など)に提出する必要があります。これらの届け出は下記条件に該当する場合は同居する代理人が行うことができます。

  • 本人が何らかの事情で自ら行うことができない場合
  • 本人が16歳未満の場合

原則として本人または法定代理人が行います。届け出を怠った場合、罰則を受けるかもしれません。具体的には、住所変更後90日以内に正当な理由なく住所変更の手続きをしなかった場合は、「在留資格の取り消し」か「20万円以下の罰金」の可能性があります。また、虚偽の申告をしてしまうと「1年以下の懲役」または「20万円以内の罰金刑」に処される場合もあります。
参照元:「外国人住民に対する手続き案内の一体的な運用について (法務省・総務省提供資料)」法務省・総務省

出入国在留管理局への届け出とは

厳密には「在留カード」に記載されている住所の更新です。しかし、これは「転居届」や「転入届」を提出する際に併せて行うことができるので、改めて出入国在留管理に提出する必要はありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。何度も経験している外国人であれば、会社のサポートは不要かもしれません。ただ、来日して間もない外国人従業員の場合は、会社から説明や支援などを行う必要があります。手続きはそこまで難しいものではないですが、忘れてしまうと罰金や実刑もありますのでご注意ください。

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