≪ゼロから学ぶ≫在留資格「介護」|【外国人雇用の基礎知識】

≪ゼロから学ぶ≫在留資格「介護」|【外国人雇用の基礎知識】

外国人が日本で介護福祉士として働くための在留資格として、在留資格「介護」があります。2017年から運用開始された比較的新しい制度ですが、法案成立の背景には65歳以上の人口が25%以上という日本の超高齢化社会、そして介護職に従事する人材の不足などがあります。外国人の介護人材を受け入れることで人材不足を解消するという狙いがあります。ここでは在留資格「介護」の取得方法から在留資格「介護」がどのようなものであるのかを説明します。

※「介護ビザ」という名称を目にすることがありますが、実際に「介護ビザ」と在留資格「介護」が指し示すことは同じです。しかし、「介護ビザ」という名称は正式なものではありません。ビザは入国に必要な査証のことで、在留資格とはまた異なったものです。ここでは正しい用語の運用を優先し、 在留資格「介護」という正式名称に統一いたします。

在留資格「介護」とは

外国人が長期間日本に在留するためには在留資格というものが必要です。在留資格には様々な種類があり、留学や国際結婚などと並んで、日本での就労のための就労ビザがあります。しかし、就労ビザはすべての職種に対して与えられるものではなく、介護職も2017年9月に就労ビザの対象になるまでは対象外職種でした。

在留資格「介護」とは外国人が、日本国内において「本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動」に従事するために必要な在留資格です。

在留資格「介護」により認められる在留期間は5年と決まっていますが、在留期間中に大きな問題が無ければ期間を更新することができ、家族滞在ビザを取得することも可能です。さらに「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」と決められているため、外国人であるという理由で日本人との待遇差が出ることはありません。

外国人介護士が日本で働くルート

外国人介護士が日本で働くルートは在留資格「介護」を含めて4種類あります。在留できる期間や一時帰国の必要の有無などの違いがあります。

EPA

EPAとは特定活動ビザのことで、インドネシア・フィリピン・ベトナム・日本の4ヶ国間の経済連携協定を指します。日本以外の3ヶ国からの方を対象として、介護福祉士の資格を取得するまでの4年間と資格を取得した後の3年間、合計7年間の在留期間が認められます。介護福祉士の資格を取得できれば在留の期間更新ができますが、資格が取得できなければ帰国の義務が生じます。

技能実習生

在留期間は最長で5年と決められている、技能実習生の中にある介護職種カテゴリーの在留資格です。在留3年目が終わると1カ月以上の一時帰国が必要(原則)であったり、在留資格の更新が特定技能ビザへの移行以外のルートで行えません。

特定技能ビザ

2019年4月に導入された、比較的新しい在留資格です。ある職種について一定の専門性や技能を持つ外国人人材の日本国内での就労を目的としています。5年間在留という期限があり、家族も帯同できません。

在留資格「介護」

外国人介護士が日本国内で就労するための在留資格。在留期間は5年と決まっていますが、在留期間中に大きな問題が無ければ期間を更新することができ、家族滞在ビザを取得することも可能です。

在留資格「介護」の取得要件

  • 介護福祉士の国家資格を取得
  • 日本の介護施設(公共・民間どちらでも可)と雇用契約を結ぶ
  • 職務内容が「介護」「介護の指導」である
  • 日本人が得ている報酬と同等かそれ以上の報酬を受け取れること

上記4点が在留資格「介護」の取得に必要な要件です。

介護福祉士の資格を取得

介護ビザ取得の際に必ず取得しておかなければならない資格として、介護福祉士があります。介護福祉士を取得するためには介護福祉士養成施設(介護に関する専門学校など)に通い卒業する必要がありますが、卒業年次によって取得方法に違いがあるため以下に記します。

2017年~2021年卒業

介護福祉士養成施設卒業後、5年以上の実務経験または5年以内に筆記試験に合格する必要あり。

2022年~卒業

介護福祉士養成施設卒業後、筆記試験に合格する必要がある。(実務経験だけでは介護福祉士の資格取得はできない)

在留資格の切り替え(留学→介護)

在留資格「介護」の取得に必要な条件については前述の通りですが、日本への入国から在留資格「介護」を取得するまでの流れを、大まかに説明します。

  1. 日本へ入国(在留資格:留学)
  2. 介護福祉士養成施設(主に学校)で2年以上の就学(在留資格:留学)
  3. 介護福祉士取得(在留資格:留学)
  4. 在留資格を「留学」から「介護」に変更
  5. 介護福祉士として就職、業務に従事(在留資格:介護)

なお、在留資格が「留学」から「介護」に切り替わってから日本に在留できる期間は5年と決まっていますが、何も問題が無ければ在留期間を更新することができ、更新回数にも制限はありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。在留資格「介護」の取得に関して、介護福祉士の資格取得条件が学校卒業年次によって異なっていたり、外国人介護士が日本で働くルートが複数あったりなど、各々の状況で見極めなければならない事項がいくつかあります。そのため、在留資格「介護」の取得申請前に一度調べてみることをおすすめします。

参考文献資料

法務省「日本での活動内容に応じた資料【在留資格変更許可申請・在留資格取得許可申請】(介護)

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