「特定技能」制度‐今さら聞けない概要を徹底解説!(2020年更新)

「特定技能」制度‐今さら聞けない概要を徹底解説!(2020年更新)

2019年の4月より「特定技能1号」と「特定技能2号」の在留資格が新設されております。日本は原則として単純労働が禁止されていますが、近年はバブル期以来の水準とされる人手不足が深刻な問題となっています。

今回は「特定技能」についての概要と「特定技能1号」「特定技能2号」の違いをお伝えします。

特定技能の意義と概要

”真に受入れが必要と認められる人手不足の分野に着目し, 一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れるための新たな 在留資格を創設する”

引用元:法務省 新たな外国人材の受入れに関する在留資格「特定技能」の創設について

昨今の情勢をみて「真に受け入れが必要と認められる人材不足の分野」として14種類の業界でのみ就労が可能となる新たな在留資格として設立されています。

※在留資格とは外国人が日本に滞在し活動する為に必要なものです。日本に滞在する外国人が必ず所持している「在留カード」に詳細が記載されています。外国人は入国審査後に「在留カード」を渡されます。

特定技能の分類

特定技能は1号と2号の2種類があります。1号は14分野で2号は2分野です。具体的には下記の通りです。

特定技能1号
1.建設業
2.造船・舶用工業
3.自動車整備業
4.航空業
5.宿泊業
6.介護
7.ビルクリーニング
8.農業
9.漁業
10.飲食料品製造業
11.外食業
12.素形材産業
13.産業機械製造業
14.電気電子情報関連産業
特定技能2号
1.建設業
2.造船・舶用工業

それぞれ家族滞在の可否など違いがあるので、まずは1号から説明します。

特定技能1号

特定技能1号の概要

特定技能1号で滞在している外国人を「1号特定技能外国人」といいます。

特定技能1号は上記の14種類の分野で設定されており「特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です」とされています。

建設業や、造船・舶用工業に特定技能の在留資格を新規で取得する場合はこの1号を取得することになります。

特定技能1号を取得するためには

特定技能1号の取得は下記のいずれかが必要です。

  • 技能実習2号からの移行
  • 特定技能測定試験に合格する

技能実習2号からの移行には条件があり、技能実習2号を良好な成績で修了したと評価される必要があります。誰でも移行できるわけではありません。しかし、もし移行できる条件を満たせば特定技能測定試験と日本語能力試験等が免除されます。

特定技能測定試験と日本語能力試験

特定技能測定試験は各分野の試験と日本語能力試験で構成されております。現行では認められておりませんが、2020年4月より短期滞在ビザの所有者が、受験することが許可されます。これを受けて海外では「特定技能1号」取得のためのツアーなども準備されているという報道もあります。

1号特定技能外国人は転職できるのか

もし1号特定技能外国人が転職をする場合は、許可され就業していた業種と同一の区分内であれば転職が可能です。しかし、3か月以上の期間で特定技能に該当する活動を行っていないと判断されると在留資格をはく奪される可能性があります。
※正当な理由がある場合を除きます。

特定技能1号の在留期間

特定技能1号には在留期間の上限が通算で5年とされています。

また1年、半年または4か月毎の更新が必要です。

特定技能1号への支援計画の策定実施義務

特定技能1号は、特定技能所属機関(特定技能1号を雇用する企業)から支援計画に沿って日本で良質な職業生活や、日常生活、社会生活を送るためのサポートを受けることができます。言い換えれば、雇用主は特定技能1号に対して支援計画を策定して実施する義務があります。

もしこの義務を怠り計画を出入国在留管理庁に提出しない、あるいは不十分な実施であると判断された場合は、受け入れが不許可になる可能性があります。

しかし、外国人を支援するノウハウやリソースがない企業も多く存在します。その解決策として「登録支援機関」が存在します。登録支援機関は特定技能所属機関が行う義務である「支援計画と実施」を代行することができます。特定技能所属機関は登録支援機関に業務代行することで、経験がなくとも1号特定技能外国人を受け入れることが可能です。

ただ、支援計画を代行している登録支援機関に不備があり、支援計画の実施が不十分だと判断されれば、自社で怠った場合と同様に1号特定技能外国人を雇用することができなくなる可能性があるので注意しましょう。

特定技能2号

特定技能2号の概要

特定技能2号は、「同分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」とされています。 現在のところ建設業と造船・舶用工業のみに許可されている在留資格です。今後、他の分野に拡大する可能性もあります。

特定技能2号を取得するためには

政府が検討している段階であり未確定です。
情報が判明しだい更新いたします。

2021年度から試験が開始される予定です。

2号特定技能外国人は転職できるのか

2号特定技能外国人が転職をする場合は、許可され就業していた業種と同一の区分内であれば転職が可能です。しかし、3か月以上の期間で特定技能に該当する活動を行っていないと判断されると在留資格をはく奪される可能性があります。
※正当な理由がある場合を除きます。

特定技能2号の在留期間

特定技能2号には在留期間の上限ありません。
3年、1年または半年毎の更新が必要です。

特定技能1号との違い

特定技能1号との違いは、1支援計画の策定実施が不要であること、要件を満たせば2号特定技能外国人の配偶者及び子に対して在留資格を付与されることが可能ということです。

つまり、2号特定技能外国人は、1号特定技能外国人とは異なり配偶者や子どもと日本で一緒に暮らすことができます。

また特定技能1号とは違って在留期間の上限がなく、在留期間の更新ができます。さらに一定の条件を満たせば「永住権」の獲得も可能です。比較的、従来の「技術・人文・国際業務」の在留資格に近いものと言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は「特定技能」についての概要と「特定技能1号」「特定技能2号」の違いをお伝えしました。また登録支援機関について知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。(別記事:「登録支援機関の役割とは?」)

法務省が行った調査報告によると2019年12月時点で特定技能1号で在留している外国人の総数は1,621人とされています。
参照元:「特定技能在留外国人数の公表」法務省

今後、gNaviでも動向を追い情報発信をして参ります。

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