「出入国在留管理庁」(入国管理局)徹底解説!|【外国人雇用の基礎知識】

「出入国在留管理庁」(入国管理局)徹底解説!|【外国人雇用の基礎知識】

「出入国在留管理庁」は、今まで法務省の内局であった「入国管理局」が外局として新設されたもので、実質的な格上げと言えるでしょう。2019年4月より新設された「出入国在留管理庁」とは一体どんな役割なのか?また、何故この時期に新設されたのかをお伝えします。

そもそも入国管理局とは?

2019年3月まで法務省の内局として外国人の出入国管理や難民認定など外国人に関わる業務を担っていました。内局とは内部部局という位置付けで、法務省の補助的な機関です。この入国管理局が名称を変え、外局として出入国在留管理庁に昇格しました。

そもそも出入国在留管理庁とは?

「局」は「省」の補助的な機関ですが、「庁」は外局です。外局というのは、省と同じように独立した国の行政機関です。入国管理局と同じく外国人の在留資格や出入国管理、難民認定などを担当しています。英語名は「immigration service agency of Japan」です。

新設の理由

現在も国内の外国人労働者は年々増加しています。2019年10月末時点で、約146万人という報告があります。

参照元: 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成30年10月末現在) 厚生労働省

それに伴い、入国管理局の業務量も増大しておりました。また、「特定技能」など在留資格の増設がされたこともあり、さらなる業務量の増加への対応や質の向上が求められます。(特定技能については別記事:「今さら聞けない・・・制度の基本と実情「特定技能」制度」をご覧ください。)

それらに対応するため組織内の権限や司令塔機能を強化するとして、入国管理局から入出国在留管理庁へ格上げが行われたとされています。新設と同時に本庁と地方入国管理局を合わせて595名程の人員補充も行われています。

参照元:「出入国在留管理庁の組織体制」

出入国管理基本計画とは?

法務省によると下記のように説明されています。

出入国管理基本計画は,出入国の公正な管理を図るため,出入国管理及び難民認定法第61条の10に基づき,法務大臣が外国人の入国及び在留の管理に関する施策の基本となるべきものを定めるものです。

参照元:「出入国管理基本計画」法務省

具体的には、

  • 日本に入国し,在留する外国人の状況に関する事項
  • 外国人の入国及び在留の管理の指針となるべき事項
  • 外国人の入国及び在留の管理に関する施策

上記の項目に関して必要な事項を定めることとされています。なお直近で策定されたのは、第5次計画(2015年9月)です。
※出入国在留管理庁の新設により「出入国在留管理計画」に名称変更されました。

所在地はどこ?

出入国在留管理庁の所在地は、東京都千代田区霞ヶ関一丁目です。それ以外にも下記の関連施設があります。

地方出入国在留管理局(8局)

出入国在留管理局支局(7局)

出張所(61ヶ所)
※省略

入国管理センター(2ヶ所)

具体的な役割は?

出入国在留管理庁の具体的な役割は多岐に渡ります。どのような業務があるのかを説明します。

外国人労働者の受け入れ管理

外国人側の審査はもちろんのこと、受け入れる企業側に不正がないかも確認しています。日本国内で外国人が就労する為の在留資格の管理も主な業務です。時期や時間にもよりますが、在留資格の申請や更新で長蛇の列ができることもあります。

訪日外国人の出入国管理

旅行などで訪れる外国人のパスポートや出入国カードを確認し、日本に上陸できるかを厳格に審査しています。近年のインバウンド増加に伴い、業務量と重要性がさらに増加しています。

特定技能外国人の在留管理や受け入れ機関などの管理指導

特定技能のビザ更新も担当しています。また、特定技能所属機関と登録支援機関への許可や助言、不正の確認などをします。

悪質なブローカーの介在対策

悪質なブローカーによる外国人労働者やその親族に高額な保証金を支払わせ、出入国させるケースが増えています。出入国在留管理庁は出入国における調査をして、外国人労働者の受け入れが適正に実施運営されるよう管理しています。

地域毎の人口把握や対応

一定の地域への外国人人材の偏りや人手不足を検証したうえで、管理しています。必要であれば受け入れ停止措置をします。

外国人の生活支援

外国人が日本で安心して生活を送るための各種施策の実施をします。

出入国記録の開示

出入国在留管理庁では出入国記録の情報開示もしています。開示請求についての概要は下記をご参照ください。

対象者 本人または法定代理人(未成年者または成年被後見人の場合)
対象期間 日本人出帰国は昭和48(1973)年4月1日以降、外国人出入国は昭和45(1970)年11月1日以降から請求日現在まで
手数料300円
提出先出入国在留管理庁総務課情報システム管理室出入国情報開示係(東京都千代田区霞が関1-1-1)、送付でも可能
時間午前9時30分~正午、午後1時~午後5時(土日祝祭日を除く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。まだ出来て間もない行政機関ですが、外国人労働者を雇用する際は必ず関係する機関です。

今回は、特定技能に係る特定技能所属機関や登録支援機関が1号特定技能外国人の「支援計画」などを提出する先でもある出入国在留管理庁の概要や役割についてお伝えしました。

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