外国人雇用のプロセスにおいては、採用内定、入国手続き書類、在留資格申請、空港の送迎、生活支援などさまざまな過程において企業の負担が考えられます。こうしたプロセスにおいては、予算コストと照らしながら、適切なサービスを利用することがカギとなるはずです。
今回は、生活面に着目した「外国人人材受入れ支援サービス」のおススメについてご紹介します。
gNaviでは、すでに別記事:【外国人雇用】日本生活でおススメしたいスマホアプリ7選にて、日本生活で外国人社員におススメしたいスマホアプリケーションについて紹介をしております。
住居
部屋探し
外国人のお部屋探しに特化したサービスとして、大手不動産会社のうち力を入れているところがあります。「ネットで賃貸」でおなじみの(株)CHINTAIでは、「外国人向けの賃貸物件」の特設ページを設けており、外国人でも相談可能な物件を紹介しています。
生活相談サポートセンター
また、(株)イチイグループでは、外国人の住まいサポートセンターを開設し、外国人スタッフが常駐し、外国人入居者に対して、日本での生活等をサポートしています。サポートは入居申し込みから、退去するときまで、多言語説明資料、書類を用いた手厚いサービスが特長です。
家賃保証等を含めたトータル賃貸サポート
(株)GTN(Global Trust Network)社では、サービス開始から13年、現在では10,000社の不動産管理会社との提携実績があり、賃貸紹介はもちろんのこと、賃貸保証サービスもラインナップとして揃っており、言語サポートを無料で提供、入居前から入居中および退去時に管理会社との間に入って入居者の不安を取り除くことができます。
賃貸紹介サービスに関する詳細はこちら
家賃保証サービスに関する詳細はこちら
通信
スマホ契約
前述の(株)GTN(Global Trust Network)社が手掛ける外国人専門の携帯電話会社「GTNモバイル」は、日本でスマホ契約をする外国人にトラブルが多いことから生まれたサービスです。
外国人社員は、自国から使用しているスマートフォンを持ち込むだけで、複雑な契約作業などは不要、基本料金を抑えたプランや6か国語対応(日本語、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ネパール語)のサポートセンターも用意されています。
レンタル契約
また、SHARPが手掛けるJ-STAYでは、外国人社員に新規契約させるのは、少々面倒、セキュリティの観点から心配、と考える企業のために、スマートフォン「AQUOS」とデータ通信用SIMカード、様々なコンテンツをセットでレンタルするサービスを展開しています。
スマートフォンは8ヶ国語 (英語、中国語、ベトナム語、インドネシア語、タガログ語、タイ語、ポルトガル語、日本語)に対応しているため、まだ日本語に
慣れていない外国人も安心して利用が可能です。
また、機能制限が設定できるため、機密情報の流出を未然に防止できます。
銀行
銀行口座開設において、おススメしたのは、ゆうちょ銀行です。在日外国人の多くが口座を持っていることからも、その開設のしやすさが認められています。
口座開設に必要なものとして、以下が必要になるようです。
1.在留カードの提示
2.学生証・社員証等の提示
また、口座開設以降の手続きについて、在留カードを更新した場合、または住所を変更した場合は、更新後の在留カードを速やかに窓口へ届出する必要があります。届出がない場合、一時的にお取引を制限されることがあるので注意が必要です。
以下ゆうちょ銀行のサイトでは、口座開設に関する概要資料が、英語、中国語、スペイン語、フランス語、タガログ語、ベトナム語、ポルトガル語、ネパール語など多言語で掲載されているため便利です。
また、新生銀行においては、外国人口座開設の特設ページ(日本語/英語)を作り、外国人へのガイダンスを行っています。
この他にも大手銀行では、外国人の口座開設についてホームページで説明をしています。
みずほ銀行:FAQ(よくあるご質問)
三菱UFJ銀行:よくあるご質問
銀行のポイントとしては、海外送金のしやすさ、手数料なども考慮されると良いでしょう。
保険
法務省ガイドラインにて、
2010年7月に外国人研修生・技能実習生の保護充実を内容とした改正入管法が施行され、受入れにあたって、実習実施者等が労災保険の届出等の措置を講じていなければならず、また、「技能実習生の入国・在留管理に関する指針」において、公的保険を補完する民間の傷害保険等に加入することも、その保護に資するものである
法務省ガイドライン「技能実習生の入国・在留管理に関する指針」
このように定められました。
公益財団法人国際研修協力機構では、
- 外国人技能実習生総合保険
- 団体総合生活補償保険
の2タイプの保険サービスを提供しています。(詳細はこちら)
このほかにも、外国人向けに以下保険サービスが各社から提供されています。
(株)ビバビーダメディカルライフが提供する、VIVAガード/VIVAライト(外国人就労者向け保険)では生命保障、特定重度障害保障、救援者費用保障(日本国内で被保険者が保険期間内に死亡または危篤状態となった場合に、親族等を本国から呼び寄せる費用や遺体処理、運搬、交通通信費等)、医療保障をカバーしています。
サービスの詳細:日本で生活をする外国人のための医療保険・生命保険
株式会社セントラルインシュアランス (ジェイアイ傷害火災保険)
- 外国人技能実習生総合保険
- 外国人技能実習修了者総合保険
- 特定技能外国人総合保険
サービスの概要はこちら
医療
外国人患者受け入れの体制整備の動きは全国で始まっており、一般財団法人日本医療教育財団では、厚生労働省の委託を受け、外国人患者受入れ医療機関認証制度の普及を行っています。(2020年4月現在74病院が認証)
こうした医療機関においては、外国人受け入れのための院内マニュアル、体制が整備されており、外国人でも安心して医療提供を受けることができます。
また、医療機関向けではありますが、厚生労働省においては、外国人向け多言語説明資料一覧を配信しており、5ヶ国語(英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語) で受付、問診表、治療・手術・検査等と別々に翻訳されて資料が掲載されています。
また、公益財団法人かながわ国際交流財団が公開している多言語医療問診票は、アジア諸国の言語を携え、18言語版を展開しています。
この他、特定非営利活動法人AMDA国際医療情報センター では、外国人患者を受け入れている医療機関、外国人を雇用している会社、地方行政窓口などから医療関連の相談を受けています。
AMDA国際医療情報センター 電話相談
生活その他
東京都国際交流委員会では、外国人向けの生活ガイドを「やさしい日本語」で掲載しています。外国人向けの生活ガイド
まとめ
いかがでしょうか。
外国人人材から見た日本生活の苦労は、なかなか知り得る機会がないのですが、一度外国人の視点にたってみて、貴社のサポート体制について、考える機会になれば幸いです。