タレントプールとは
タレントプールとは、わかりやすく言うと、今すぐ応募しなくても会社に興味をもった候補者、今はご縁がないけれど接点を維持したい有望な人材(タレント)をデータ蓄積(プール)することです。
タレントプールはいまや、世界中でトレンド化し、普及している「新しい採用方法」で世界的に有名な大手企業では当たり前に使われる方法です。
採用方法はこれまで、書類選考~面接~採用合否~入社というプロセスを踏むものでしたが、そのときどきの求人ポジション、求人枠(人数)、候補者で合否で白黒つけるのではなく、人材が必要なときに、必要なスキルを持つ人材をプールした自社データベースから探しタレント(候補者)に声をかけることができるのがタレントプールという採用方法です。このデータベースをもとに採用することをデータベースリクルーティングと呼びます。
タレントプールを利用して、「応募者」ではないが、「近い未来で採用できるかもしれない人材」をプール(確保)しておくことは、多くのメリットがあります。これまでの採用の課題点は、
・一定期間内の採用活動によって、一定数の候補者しか比較できない
・採用枠1名に対し、有望な候補者が3名いた場合、2名に「不合格通知」をしなくてはならない
・「採用」「不採用」の2択しかなく、「保留」できないため、白か黒かの判断になる
・採用したいのに入社時期が合わない、応募したいのに求人がない、というすれ違いが生まれる
こうした「ご縁」や「タイミング」というものに左右されてきました。
タレントプールを利用することで、長い目で企業と人材のマッチングが行われることとなり、企業は、タレントプールに登録している人材に定期的にメッセージで声をかけたり、イベントを企画して対面的な交流をするといった「関係性構築」が実現されるのです。
実際に利用するタレントプールはATS(採用管理システム)やタレントプール専用の管理システムを利用することが一般的です。
タレントプールの導入事例
こうした、「これまでの採用活動」のデメリットを大きく改善するため、「タレントプール」に注目が集まっており、アメリカをはじめとする欧米諸国ではすでに、一般的にタレントプールが活用されています。 いくつかの企業導入事例を紹介します。
Trivago
国内外の宿泊施設の料金比較ができるサイト、Trivago(トリバゴ)はTVCMでもおなじみですが、同社はタレントプール機能を使った採用を実施しています。
DELL
大手電子メーカーのDELLでは、ホームページ上に、”Join our Talent Network”(当社のタレントネットワークに参加する)と記載されており、クリックすると”Sign up to stay up-to-date on our latest career opportunities, events and company news. “(企業の採用情報、イベント、リリース情報をキャッチするために登録してください)と表示されます。
PWC
世界4大会計事務所(Big4)のひとつであり、世界158カ国に展開する同社においても、タレントプール機能は導入されています。
IBM
コンピューター関連でおなじみ、IBMでもホームページの「採用情報」にタレントプール登録の機能が備わっています。
このように、欧米諸国を中心として海外では大手企業においてもタレントプールは一般的に活用されています。では、日本で利用するためにはどうすれば良いのか、次の章で紹介します。
タレントプールの導入方法
この便利なタレントプール機能をどのように使えばよいか、紹介します。
Talentio(株式会社タレンティオ)
別記事:採用管理システム徹底比較!「Talentio」対「ジョブカン」でもご紹介していますが、採用管理システム(ATS)で不動の人気を誇るTalentioでは、タレントプールが実装されています。( Talentio(タレンティオ)の特徴)
システム内ではタレントプールの人材が一覧化されており、人材に対する企業からのコンタクトあり/なしを管理することができます。
タレントプール導入のメリット
タレントプール導入よりもたらされるメリットには
・採用コスト削減と効率化
・採用の質が改善
・時間的制約のない、中長期的な人材の吟味ができる
・業界や職種に制限がなく、どの企業でもどの人材ともつながることができる
こうしたものが挙げられ、これまでの採用活動と比較して大きな改善が見込めるものといえます。
タレントプール導入のデメリット
一方で、タレントプール導入のデメリットというと、やはり慣れないシステム、プロセスを踏むことから、使いこなせるためには様々なノウハウを理解する必要があります。また、データベースはじっとしていれば、勝手にタレント人材が貯まるものではないので、初動としてはかなり体力を必要とすることもあります。
・データベースの人材を獲得することは容易ではない(知名度のある企業の除き)。
・イベント企画、調整の時間が煩雑になり、採用効果が測定しにくい。
・人材へのアプローチ手法には工夫が必要になる。
タレントプールをビジネスSNSから始める
タレントプール専用のシステムも紹介をしましたが、タレントプールの仕組みを応用し、LinkedInやFacebookなどのビジネスSNSで企業アカウントを作成し、様々な人材とつながる(フレンド申請)ことを試してみることも一つの手です。
SNSを利用した採用方法としては、ビジネス型SNSが主流であり、社内の同僚や上司、社外取引先とのビジネス交流を目的としたLinkedin(リンクドイン)が有名で、企業の採用担当者や、ヘッドハンター、ビジネスパーソン、フリーランス、企業経営者などが、お互いにSNS上の知り合いとして気軽に「つながり」を持ち、お互いのビジネス交流の場として利用したり、「〇〇という求人がありますが、興味がある方いますか」というアプローチの仕方を可能にしています。
まとめ
今回はタレントプールの基礎の基礎から学べる記事を構成しました。採用活動でお困りの企業の方はぜひ新しい採用手法を取り入れ、効果のほどを試し体感いただきたいと思います。