≪必読≫日本のビジネスマナーで注意してほしいこと8選|【外国人雇用の基礎知識】

≪必読≫日本のビジネスマナーで注意してほしいこと8選|【外国人雇用の基礎知識】

外国人雇用をテーマに扱うセミナーなどにおいては、その意識が雇用者側の視点にばかりに向きがちでありますが、真の意味での「異文化理解」というのは、相手である外国人人材「にも」意識を向けるべきであります。

しかし、問題は、外国人人材である本人たちにとって、自分たちの主張や考えを第2言語である日本語を介して伝えることが難しい点です。

本記事では、外国人人材が努力して、理解&習得しようとする日本のビジネスマナーについて、彼らがどのようなことに気を付けて日本就労の準備をしているか、と言う点について解説をします。

外国人採用をするうえでは、雇用者ばかりが苦労をしなくてはならないという幻想が生まれがちなのですが、外国人人材の苦労にも目を向けてください。

広く、柔軟な視点を持ち、外国人雇用のノウハウを自社で形成していただくことを願っています。

以下に、日本社会で勤務経験のある弊社外国人社員がブログで解説した「日本のビジネスマナー」に関する情報を、雇用者の観点も加えて列記します。

外国人人材が日本社会で気を付けること

空気を読む

日本語や日本文化を学ぶ外国人人材がまず一つ学ぶ「文化」がこの「空気を読む」ということです。しかし、空気を読む、をどのように説明すればよいか難しい場合は、以下のサンプルをお使いください。

(外国人社員へ説明の例)

「空気を読む」というのは、日本の独特な文化です。例えば、上司が忙しそうにしているときに「すみません、明日休みたいのですが、いいですか」と聞くことは、いいタイミングではありません。「今上司は忙しそうだから、あとで話そう」と気をつかうことが、空気を読むことの一つです。

ただし、会社に入ってから、色々な日本人と仕事をすると思いますが、「忙しそうにしていても、何かあれば、すぐ話してほしい」という上司の方も、いるかもしれません。先輩上司のアドバイスを受けながら、仕事を覚えることと同時に、心がけてみてください。

スピードよりも正確さ

外国人社員の中には、競争社会の教育を受けてきた背景から、1番であることを躍起になり意識する人材もいます。この場合、精度よりも成果物のスピードを重視しがちで、このクセがなかなか治らないこともあります。

これに加えて、第2言語である日本語のコミュニケーションには、どうしても、100%の理解ができないがゆえ、指示に対する誤認識というものが発生しやすくなります。貴社において、仕事で「正確さ」を重視するようであれば、この点は強調する必要があります。

(外国人社員へ説明の例)

一般的に日本では、どんなに早く仕事が出来ても、「間違い」が多いと評価をされません。評価されようと頑張って、急いで、仕事を終えても、細かなミスがあると、次の仕事を頼まれなくなってしまいます。信用を得るためには、「間違いのない」仕事を心がけることで、良い人間関係が作れるはずです。

メモを持ち歩く

諸外国での仕事のやり取りにおいて、メモを持ち歩き話すことは一般的ではありません。これは、「聞く姿勢」を示すための、日本人特有の文化のように感じます。外国人社員が入社した際は、このメモの要・不要についてご説明ください。

(外国人社員へ説明の例)

先輩や上司から仕事を教えてもらうときは、メモを取りながら聞くことが、大切だと言われます。これは相手に対して「聞いている姿勢」を伝えるため、「何度も同じことを聞かない」ために、とても大切なことです。

日本ではメモを持たずに、新入社員が話を聞いていると「メモを取らずに、この仕事全部おぼえましたか?もう同じ説明はしないよ」と注意されてしまうことがあります。

「できないこと」は「できない」と言う

後述する「報連相」にも関わることなのですが、外国人採用をする雇用者の悩みの一つには、「あとになって事後報告をする」ことがたくさん挙げられています。これ金曜日までにお願いします、と頼んだのに、当日になって、できませんでした。というトラブルは、実に起こりうる事例です。

(外国人社員へ説明の例)

仕事に慣れてくると、たくさんの仕事をお願いされるようになります。そのときに「これ明日までにできる?」と聞かれることが、あるかもしれません。そのとき、自分が忙しかった場合、決まった日までに、できない場合には「〇〇があるため、できません」と伝えることが大切です。

また、これに加えて「今〇〇の仕事をしていますが、どちらを先にすべきですか」や「明日は難しいので、あさってまで待っていただけますか」と相談することで、タスク管理のスキルが評価され、先輩や上司から信頼されるはずです。

自分の仕事は自分で最後までやる

外国人社員を雇用・教育するうえで、とても難しいのは、日本語ネイティヴではないことを理由に、仕事のプロセスをはじめから最後まで担えないという問題がありえます。

何か、プロセスの途中でつまずいたり、最終フェーズで日本人が介することがどうしても必要な場合、本人の責任感や、やりがいを生み出すことに苦労します。できることであれば、全てのプロセスを自己完結でき、成果が目に見える業務を割り振ることが望ましく、外国人社員としても「自分が役割を持ち会社を支えている存在」であることを体感することが相当の自信やモチベーションにつながると考えています。

(外国人社員へ説明の例)

難しくて、時間がなくて、忘れていて、できなかった仕事があったときには、だれかがサポートしてくれると思います。しかし、「だれかがやってくれるから、もう自分の仕事ではない」と考えてはいけません。

もともと自分の仕事であったことは、「その後どうなっているのか」「だれがあなたの代わりにやっているのか」「いつ終わるのか」「自分に何かできることはないか」こうしたことを考えることが、とても大切です。「自分の仕事は最後まで責任をもつ」ことが大切です。

習うよりも慣れる

別記事【外国人雇用】コミュニケーショントラブルを防ぐにはでもお話していますが、日本語というのは、諸外国の言語に比べて、圧倒的に会話の量が少ないため、外国人からすると、話し足りないと感じるところが多いのです。

業務指導する際のバランスは非常に難しいところではありますが、意識としては通常の日本人に指導する際のあと20%くらいを細かに丁寧に説明することを意識していただきたいと思います。「習うより慣れろ」というのは外国人人材にとっては至難の業ということです。

(外国人ライターが書いた、外国人の解釈参考)

日本の独特な文化のひとつで、「すべてを教えてもらうのではなく、まず自分でやってみて覚える」という考え方があります。「すべて教えてもらわないとわからないよ」と思うのですが、仕事の多くは、自分でやってみて、はじめてわかることも多いと思います。

たとえばスポーツの世界でも、ルールだけ教えてもらっても、そのスポーツが上手にはなりません。すべての仕事が、この考え方に合うわけではありませんが、もし「日本の人は1~10まで全部教えてくれない」と思ったら、「まずは、やってみてから、分からないことを聞く」という考え方を、思い出してください。

報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)

報連相は、外国人人材において、最も知られる、日本語学校や訓練校で指導されるビジネスマナーの基本です。しかし、いざ、実際の業務になると、どこまでがこの報連相にあたるものか、文化と合わせた理解がむずかしいのが現状です。

こればかりは、はじめから習得することは、不可能に近いため、懇切丁寧に、会社の求めるレベルに合わせて指導することをお願いします。

(外国人社員へ説明の例)

報告の例(「この仕事が終わりました」、「今ここまで完了しています」)
連絡の例(「〇〇さんから電話です」、「会議は△日に決まりました」)
相談の例(「~については、どうしたらよいですか」)

これらの大事なコミュニケーションについて、まとめているものです。伝える内容を「シンプルに」「正しく」「短く」することが大切だと教わります。

会社の情報や悪口を外で言わない

別記事:外国人社員のSNS利用に関する注意点でも解説していますが、SNSの普及によって、企業の機密情報の漏洩リスクは高まっている現状があります。外国人労働者の場合「意見」を素直に言うことができる人材が多いですが、この「意見」を述べる場所、TPOを誤って実行してしまうことがあります。

外国人コミュニティの間では、平然と給料の情報交換が行われていたり、会社情報が許可もなく載せられていることがありますので、こうした情報の取り扱いについては入社時に指導する必要があります。

(外国人社員へ説明のサンプル)

電車やバス、レストランの中で「会社のこと」を話すことは、いいことではありません。誰が、どこで、何を聞いているか分からないですし、会社の大切な情報がほかの人に、知られてしまうことがあるので、この点はとくに気を付けましょう。FacebookなどのSNSでも、これは同じことです。

日本で実際にあるのは「会社のカフェで上司の悪口を同僚と話していたら、そこにいた別の社員が聞いていて、その上司に悪口が伝わってしまった」「電車で会社の話をしていたら、ライバル会社の人が近くにいて、大切な情報を聞かれてしまった」というようなことがあります。

食事の場では年上の方に気をつかう

「諸外国には、敬語がない」という主張をする方がいますが、これは誤りです。日本のような尊敬語、謙譲語、丁寧語とはっきり分かれているわけではありませんが、年上の方への話し方、言葉遣いというのは、どの言語にもあります。

日本語学習者にとって、挫折のきっかけになるのが、この敬語の複雑さとも言われていますが、相手への敬意を示すことは、難しいとは感じていません。しかし食事の場でのマナーなどは、上座下座、お酒の注ぎ方など日本独特のルールが多数存在します。

(外国人社員へ説明の例)

「年下は入り口近くに座り、店員に注文をしやすくする」
「年下は年上の人のグラスに、お酒が入っているかをチェックする」
「お酒が足りなければ、年下がグラスに入れる、お酒を注文をする」
「年上の人が食べるまでは、先に食べない」等

はじめたころの気持ちを忘れないこと

上昇志向の強い外国人人材においては、過去よりも未来を注視しがちな傾向が見られます。優秀な人ほど、「出る杭は打たれる」悪しき習慣がいまだ残る日本では、外国人社員の立ち居振る舞いが社内でトラブルを引き起こす可能性もあります。

ここで、外国人社員にアドバイス(指導とまでは言いません)したいのは、「謙虚」な姿勢がもたらす、様々なメリットである、と提唱します。これについては会社の理念によるものですので、貴社のご判断にお任せします。

(外国人社員へ説明の例)

仕事に慣れてくると、人はだんだんと気持ちがゆるんだり、仕事が雑になったりします。こうしたときに、「はじめたときの気持ちを忘れないように」ということばを、日本人は大切にします。

これを昔のことばで「初心忘るべからず」と言います。日本の人によく見られる「謙虚さ」というのは、こういう「教え」から来ています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

普段は知りえない、外国人人材からの「視点」を知ることで、より雇用者と外国人人材が理解し合える関係性構築につながれば幸いです。

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