ブラザー工業株式会社の働き方改革「社員一人ひとりを財産とする健康経営」徹底解説

ブラザー工業株式会社の働き方改革「社員一人ひとりを財産とする健康経営」徹底解説

個人の複雑な事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会を実現するための「働き方改革」。この言葉自体はよく耳にするものの、実際にアクションを起こしている会社はあまり多くはないというのが実情です。

そんな中、様々な取り組みを行い、成果をあげているのがブラザー工業株式会社です。ブラザー工業では、「時代や環境の変化に対応し、生き残ってきたDNAを伝承し、未来永劫の繁栄に向けて、変革や成長領域に挑戦し続ける複合事業企業」を目指しており、会社を成長させ続けるめに、多方面からのアプローチを試みています。

今回は、健康経営において他企業を牽引するブラザー工業株式会社の働き方改革について徹底解説していきます。

ブラザー工業の“働き方改革”3つのポイント

ブラザー工業の働き方改革には大きく3つポイントがあります。

1業務の効率化
2ダイバーシティの推進
3健康経営体制の構築

事項からそれぞれの内容について解説していきます。

制度改正による業務の効率化

ブラザー工業株式会社では、制度を改正することにより、業務の効率化を推進しています。

残業の事前申請制度

2016年には、長時間労働を削減するために、下記のように制度の変更を行っています。

  • 20時以降の残業は申請制にする
  • 22時以降の残業は原則禁止

法廷外労働時間の引き下げ

労働組合の同意のもと、2020年まで法廷外労働時間の引き下げを行いました。

画像参照元:ブラザー工業株式会社公式HP

業務プロセスの見直し

イントラネットを活用し、会議資料の作成やメール対応における課題を事前に共有することで、業務の効率化を促進しています。
また、AIを有効活用する事により、業務の自動化を図りました。

ソフトウェアロボットによる自動化で労働時間を削減

2021年3月までに、ブラザー工業株式会社はRPA(ソフトウェアロボットによる自動化)導入し業務の自動化を促進することで、現在の年間労働時間の1割に当たる70万時間を削減するとしました。

また、RPAという最新のテクノロジーの導入に伴い、従業員が担当していた作業の一部を改良することで、生産性の向上を目指しました。これにより、月の平均残業時間を14時間程度まで削減する事に成功しています。

RPA導入をきっかけに、代々受け継がれてきた社内の在り方が見直されました。

ダイバーシティを推進させるための取り組み

ブラザー工業株式会社は、社員が柔軟に働き方を選択し、公私ともに充実させる事ができるよう様々な支援を行っています。

各々の能力や資質を正しく見定め、個人のポテンシャルを最大限に引き出すために、ダイバーシティの推進に取り組んでいます。そして、取り組みが評価され、多様な働き方を支援する優良企業として、厚生労働省から認定を受けています。

国からも評価される、ブラザー工業におけるダイバーシティ推進へむけた具体的な取り組み内容について解説していきます。

女性の活躍を支援

ブラザー工業は「女性活躍推進に関する宣言」や「女性活躍推進に関する行動計画」の策定など、女性の活躍を推進するための取り組みを積極的に行っています。

また、社内におけるキャリアのロールモデルが知りたいという、社員のニーズに応じたイントラネットでの女性管理職におけるキャリアの共有や、少人数での社内座談会「キャリアコミュニティ」を実施しています。

コミュニティ内で、様々な働き方についての情報共有を行っており、単なる交流会にとどまらず、キャリア形成の礎を築いているとも言えます。

また、ブラザー工業は社員が前途多幸なビジョンを描くためには、海外勤務経験も重要であると考え、2017年には、入社3、4年目の社員を対象とする、事務系海外派遣制度を導入しました。

このように、ワールドワイドに働く機会を提供し、社員一人ひとりの成長を支援しています。

仕事と生活のバランスを整えるための支援

ブラザー工業では、フレックスタイム勤務や、育児や介護のための休職、短時間勤務、看護休暇など、仕事と生活の両立を支援するための制度を多数用意しています。

また、仕事と介護を両立するためのノウハウを展開するセミナーや、社員に向けた、介護のリスクに関する情報提供を行っています。このように、組織全体で社員のワークライフバランスを整るための環境づくりを行っています。

健康経営の推進

従業員一人ひとりを「財産」とし、社員の健全な肉体と精神を守ることで、それぞれの個性を市場価値に転換できると考えています。そうすることで、「明るく・たのしく・元気に」をモットーにした健康経営を推進しようとしています。

従業員の健康を維持するための体制

ブラザー工業では、健康経営を維持するために健康管理センターを設置しています。

健康管理センターの役割

・従業員の健康管理
・メンタルヘルスケの推進

健康管理センターでは、健康保険組合や労働組合とも連携し、より効果的に従業員の健康を維持するための活動を展開しています。

健康経営推進協議会の実施

年に1度行われる協議会です。ブラザー工業の安全衛生担当責任者が集まり、従業員の健康における課題の共有、次年度以降の目標および方針を話しあいます。また同グループの中で優秀な会社の取り組みを優良事例として報告する事で、効率よくPDCAサイクルを回すよう努めました。

2018年からは、多角的に取り組みを評価し、優秀と判断された会社をCHOが「ヘルシーカンパニー」として表彰する制度を作りました。それにより、モチベーションの向上を図っています。

健康ブラザー2025

ブラザー工業株式会社では、健康経営を推進させるための長期的な目標として、「健康ブラザー2025」を定めています。

「健康ブラザー2025」により、2025年までに、従業員の個性と能力を最大限引き出せる職場環境の構築を目指します。

これにより、従業員が「明るく・楽しく・元気に」日々を過ごせるよう、仕事と健康の両立を支援しました。

取り組みの結果

ブラザー工業は、多方面から就労環境をよりよくするためのアプローチを試みました。そして、その取り組が評価され、様々な名誉ある賞を受賞しています。

「第1回上手な医療の関わり方アワード」最優秀賞受賞

2020年3月、「第1回上手な医療のかかわり方アワード」が厚生労働省によって開催されました。そしてブラザー工業は、かねてから推進していた健康経営が評価され「厚生労働大臣賞、最優秀賞」を受賞しました。
特に、以下の取り組みが評価されています。

・業務中に従業員がけがをしてしまった際の対応を明記した「緊急時応対表」の作成
・仕事と治療の両立を「社内ガイドライン」にてサポート

健康経営銘柄2021

ブラザー工業は、従業員の健康促進を戦略的に行う事で、生産性を向上させ、企業としての価値を高めることを目指しました。

そして、長期的な企業価値創出に期待する投資家が魅力を感じる企業として、「健康経営銘柄」に選定されています。

健康経営優良法人2021

優良な健康経営体制を構築した事が評価され「健康経営優良法人」にて表彰されました。

まとめ

ブラザー工業は企業の理念にある通り、社員の一人ひとりを財産とし、それぞれが最大限能力を発揮できる環境を作ることこそが、企業価値の向上につながると考えています。

そして、理念に基づき戦力的に健康経営を推進することで生産性を高め、外部からも長期的に価値を創出し続ける企業として評価されるまでに至りました。

様々な働き方や健康経営体制構築を実現させた、ブラザー工業株式会社の「働き方改革」は、今後より多くの企業が理想の経営体制を構築するための、ビジネスモデルとなるのではないでしょうか。

次世代採用ナビではこれまでもさまざまな企業の働き方改革について紹介してきました。以下も併せてご参照頂ければ幸いです。

・花王グループの働き方改革|社員一人ひとりに合ったワークライフバランスを徹底解説
・すかいらーくHDの働き方改革|「ウィズコロナ時代」の経営戦略とは?
・みずほFGの「働き方改革」新制度“最大週休4日”等を徹底解説

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