カインズの働き方改革|「PROJECT KINDNESS」を徹底解説

カインズの働き方改革|「PROJECT KINDNESS」を徹底解説

コロナ禍により、従来の生活様式から変化が起きている中、多くの企業が職場の環境整備に頭を悩ませています。特に、直接消費者と接触する機会が多い小売り業界においては、密や接触を避けて買い物ができる「デジタルサービス」の需要は急速に高まっており、オンラインとの融合は今後の事業運営において肝になると言われています。

そのような「ウイズ・コロナ」の暮らしにおいて、現在最もデジタル化を加速させているのが、ホームセンターチェーンを運営するカインズです。2020年6月には、新型コロナウイルス感染症拡大による、リストラ、内定取り消し、廃業などの経済的な影響を受けた方々を主な対象として、3,000名規模の雇用枠を設け、積極的な人材採用を行うと発表し、話題となりました。

未知の感染症や、デジタルシフトが起きている現代を、我々はどのように生き抜けばいいのか。そのヒントとして、革新的な進化を遂げているカインズの取り組みと、同社が掲げる中長期経営計画「PROJECT KINDNESS(プロジェクト・カインドネス)」の推進とはどのようなものかを徹底解説していきます。

カインズの働き方改革の概要

カインズは「不連続な変革」を掲げて、19年度より中長期計画「PROJECT KINDNESS(プロジェクト・カインドネス)」を発表し、現在も推進を行っています。プロジェクトの柱となるのが、デジタル戦略です。いかに消費者が求める商品を察知し、確実に届けるかという点で、作業のデジタル化が求められています。

また、国内の労働人口が縮小し、働き方の価値観も多様化する中、いかに従業員に定着していただくかという点でも職場環境の見直しを積極的に行っています。

以下では、カインズの働き方改革のポイントをそれぞれ解説していきます。

  • PROJECT KINDNESS(プロジェクト・カインドネス)とは
  • カインズのデジタル戦略の実態
  • 「誇りに思える働きたい会社」の実現に向けた取り組み

PROJECT KINDNESS(プロジェクト・カインドネス)とは

1989年に創業したカインズは、2019年に全国の都道府県で220店舗に拡大し、ホームセンター市場において事業を拡大してきました。しかしながら、少子高齢化や人口減少、顧客ニーズの変化、Amazonを中心とした新たな競合の出現などにより、世の中の変化のスピードが加速度的に増している中、生き残りを賭けた構造改革の必要性を認識していました。

その中で、2019年を第3創業期と位置づけ、3か年の中期経営計画「PROJECT KINDNESS(プロジェクト・カインドネス)」をスタートさせました。カインドネスとは、事業活動と周りの人々に対して、常に「Kindness=親切心」を中心において繋がるという意味を持つ、カインズのビジョンでもあります。

それを皮切りに「次のカインズを創る」ためにさまざまな施策に取り組み、大きな変革に乗り出すことに決めました。

その変革の中核を担うのが、ITを活用したデジタル戦略です。続いてカインズのデジタル戦略について解説をしていきます。

カインズのデジタル戦略の実態

2019年7月に新組織としてデジタル戦略本部を設置し、小売り×ITの融合となる施策を次々に実行していきました。

店頭取り置きサービス「CAINZ Pick Up」

デジタル戦略を実行する以前から、カインズのECサイトは存在していました。しかしながら、カインズ全体の売上高に占める割合は決して高くはありませんでした。ECサイトの弱点は個別配送にかかるコストであることに着目し、この解決策として全国で200以上のカインズ店舗網を使った店頭受け取りサービスを開始しました。店頭在庫の配送にECサイトの注文商品を一緒に乗せることで、個別配送のコストの削減に繋がりました。

直接来店の顧客と、ECサイト利用の顧客を別々に考えるのではなく、実店舗とECサイトの連携を強化することで、新たに顧客との接点を増やすことに成功しました。

参照元:カインズ公式サイト

待ち時間ゼロ「PickUp ロッカー」

店頭での受け取りにかかる手間や、時間などのわずらわしさを解消するために、受取専用カウンター、受取専用ロッカーを設置しました。これにより、ネットで注文し、当日待ち時間ゼロで商品を受取ることが可能となりました。店舗従業員にとっても、通常会計レジの混雑緩和につながるので、丁寧な対応を心掛けることができるようになります。

参照元:カインズ公式サイト

55-DASH PRO

顧客がECサイトで注文した商品で店舗に在庫がある場合は、55分以内に準備をするというサービスです。必要な商品を「早く」「確実に」受け取ることができるサービスとして、現場作業員を中心に人気を得ています。店舗従業員にとっても、来店までに在庫を用意しておけば良いので、余裕を持った対応が可能になります。

参照元:カインズ公式サイト

その他にも、ネットで選んでから店舗でお試しができるというお試しサービスや、顧客同士をつなぐコミュニティーの立ち上げ、商品レビューの投稿機能など顧客と商品をつなぐためのさまざまなデジタル施策を実行しています。

「誇りに思える働きたい会社」の実現に向けた取り組み

全国200店舗以上を展開し、従業員1万2000名以上を雇用するカインズにとっては、 少子高齢化に伴う労働人口の変化による人件費高騰や、新規採用、定着率向上は大きな課題となります。 中長期経営計画 のもう一つの柱として、「誇りに思える働きたい会社」を目指し、あらゆる人事制度の策定や、職場環境の整備に着手をしています。

参照元:カインズ採用サイト

働き方とプライベートのサポート

勤務地選択社員制度

結婚、出産、介護などライフステージの変化が訪れても、長く安心して働き、活躍できるための制度です。入社4年目からは、拠点地(居住地)が属するブロック内での転勤も可能となり、8年目からは、エリア社員として拠点地(居住地)から90分圏内に勤務する働き方も選択できるようになります。

独身寮・社宅制度

ジョブ・ローテーションを行うカインズでは、転居を伴う店舗間の異動が多く発生します。そのため、少しでも従業員の生活の不安や負担を軽減するため、独身寮・社宅制度を設けています。

暮らしの安心をサポート

確定拠出年金

カインズでは確定拠出年金制度を設けています。将来のライフプランに合わせた運用方法が選択でき、豊かな老後を支える制度となっています。

GLTD制度(団体長期障害所得補償保険)

病気やケガで、働きたくても働けない時の給与をサポートする制度です。休職による経済的ダメージを軽減し、生活の心配をせずに療養に専念できる環境を創りだすことで、早期の就労復帰を支援する制度となっています。

まとめ

今回は株式会社カインズの働き方改革についてご紹介しました。小売り×ITを導入することで、業務効率が向上しただけでなく、売上拡大につながっていることは他の業界でも大きなヒントになるのではないでしょうか。ウイズ・コロナの時代において、消費者は何を望んでいるのかを敏感に察知することで、新たなビジネスチャンスが生まれると思います。

参考資料:

次世代採用ナビではこれまでもさまざまな企業の働き方改革についてご紹介してきました。以下も併せてご参照頂ければ幸いです。

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