すかいらーくHDの働き方改革|「ウィズコロナ時代」の経営戦略とは?

すかいらーくHDの働き方改革|「ウィズコロナ時代」の経営戦略とは?

飲食業界は、新型コロナウイルスの影響により厳しい経営体制を強いられています。2020年の飲食事店業者の倒産数は780件にものぼり、これは調査が始まった2000年以降最多の件数となっています。

今なお厳しい情勢が続く飲食業界ですが、そのような中でいち早く「ウィズ・コロナ」との向き合う経営方針を発表したのが「ガスト」や「バーミヤン」などを運営しているすかいらーくHDです。2020年1月に「24時間営業」の全店廃止を発表し話題を呼んだすかいらーくHDですが、2021年の1月に発表した経営戦略では「ウィズ・コロナにおける経営戦略」として「価値ある豊かさの創造」を掲げました。

今後、飲食業界は「ウィズ・コロナ」とどのように向き合っていけばいいのでしょうか。今回はすかいらーくHDの働き方改革と、経営戦略である「価値ある豊かさの創造」について徹底解説していきます。

すかいらーくHDの働き方改革の概要

2020年の1月以降、すかいらーくHDは働き方改革として様々な施策を発表してきました。今回はすかいらーくHDが行ってきた施策について、時間系列に沿いながら順にまとめていきます。

24時間営業の全店廃止

2020年1月、すかいらーくHDは働き方改革としてそれまで48年間続いてきた「24時間営業」の全店廃止を発表しました。

2017年にも従業員のワークライフバランスの促進を目的に約600店の深夜営業の短縮を実施。この二つの営業時間の変更は、働き方改革として従業員の健康に配慮した職場環境づくりの促進を主な理由としています。

続く2020年7月には全店の営業時間を原則23時30分に定め、深夜営業も廃止。コロナ禍による消費者のライフスタイルの変化を受け、それまで行われていた深夜帯のサービスを、昼間のランチタイムに移行することを発表しました。またその年の年末年始にも、働き方改革の一環として営業時間の短縮を行っています。

このようにすかいらーくHD全店において、従業員が働きやすい環境づくりや、時代の変化に合わせた働き方改革が行われました。

経営戦略の「価値ある豊かさの創造」

すかいらーくHDは2021年1月に経営戦略として「価値ある豊かさの創造」を掲げました。人々の生活を食の力で豊かにしていくことを目的としたこの経営戦略は、「ウィズ・コロナ」においてのサプライチェーンの在り方を示しています。

コロナ禍において厳しい経営状況を強いられたすかいらーくHD。以下ではすかいらーくHDが「ウィズ・コロナ」を乗り越えるために打ち出した経営戦略、「価値ある豊かさの創造」について解説していきます。

デリバリー、テイクアウトの拡充

2020年のコロナ禍において、飲食店内での感染拡大を防ぐために行われたデリバリーテイクアウトなどが多くの需要を生み出しました。すかいらーくHDもその需要を多く受けた企業のひとつです。

すかいらーくのホームページによると、デリバリーの売上推移、テイクアウトの売上推移共に上昇を続けています。

参照元:すかいらーく採用サイト

また、すかいらーくHDが行っているテイクアウトサイトの登録会員数も2020年の4月を境に増加しています。

いずれのグラフも2020年のコロナ禍を境に数値が上昇してます。ここからコロナ禍において、デリバリーやテイクアウトの需要が高まっていることが分かります。

この需要の高まりを受け、すかいらーくHDは経営戦略においてデリバリー・テイクアウトの売上強化策を促進することを発表しました。2021年以降も配達効率の向上、配送エリアの拡大、すかいらーくアプリへの決済機能の導入など、あらゆる面においてデリバリー・テイクアウトの強化を目的としています。

販売チャネルの拡大

すかいらーくHDは「価値ある豊かさの創造」を実現するために販売チャネルの拡大を発表しました。

販売チャネルとは?
チャネルは「手段・方法」という意味のマーケティング用語。ここではすかいらーくHDの商品を売るための販売手段を表している。

「ガスト」や「バーミヤン」など様々な種類の店舗を持つすかいらーくHDは、それぞれの店舗が持つ商品にも違いがあります。販売チャネルの拡大はそれらの垣根を超え、より多くの商品を消費者のもとへ届けることを狙いとしています。

販売チャネルの拡大施策としては、大きく分けて以下の二つが挙げられます。

1.外販事業

外販事業はあるレストランの目玉商品を他の店舗や店舗以外でも購入できるようにすることです。2020年5月には「バーミヤン」の看板商品である餃子を全国の店舗で販売しました。

また2020年の11月には上記の餃子に加え、「ガスト」のハンバーグをAmazonや楽天などのネットストアでの販売を開始。レストランの味を家庭でも味わえるように、商品の販売手段の拡大を目指しています。

2.既存店の活用

すかいらーくHDが持つ特徴として、多種ジャンルのレストランを運営しているサプライチェーンというものがあります。この既存店を活用していくことで、販売チャネルの拡大を目指しています。

例えば「から好し」のから揚げを「ガスト」で販売することで、ひとつの店舗にいながら二種類のレストランの味を楽しめます。この他にも「藍屋」「夢庵」への寿司の導入や、「バーミヤン」の冷凍餃子を「ガスト」で販売するなど、多くのジャンルのレストランを抱えているすかいらーくHDならではの施策といえるでしょう。

このように、事業を組み合わせた販売チャネルの拡大を図ることで、すかいらーくHDは「ウィズ・コロナ」への対応を続けています。

まとめ

今回はすかいらーくHDの働き方改革と経営戦略についてご紹介しました。時代に合わせた店舗運営や既存のものを組み合わせて新しい価値を提供する経営戦略は、これからのウィズ・コロナ時代に必要なものなのではないでしょうか。

参考資料:

次世代採用ナビではこれまでもさまざまな企業の働き方改革についてご紹介してきました。以下も併せてご参照頂ければ幸いです。

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