「地方移住は魅力的だけど、実際に住んだら色々大変そう。」
「地方移住の大変なことも含めて現実的にどうなのか、リアルを知りたい。」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?人が密集した都市圏での生活から、自然あふれる田舎への移住に興味を持つ人が増えています。しかし、いざ地方移住を真剣に考えてみると、色々と不安に感じることも多いはずです。
例えば、住む家、仕事の有無、買い物をする場所、病院や学校など公共施設の近さ、周囲との人間関係、自然災害のリスクなど。挙げればキリがありませんが、それだけ都市部とは全く異なる環境に移り住むことになります。
実際に地方移住者の中には、現地の生活に馴染めずに数年で都市に戻ってきてしまった。という声もよく聞きます。
そこで本記事では、都市部から地方移住をした方の「移住体験談」をご紹介します。移住者のリアルな体験を知ることで、地方移住のメリットや注意すべき点がわかるようになります。
何事にもメリットとデメリットはありますが、地方移住のメリットがデメリットを上回るようであれば、本格的に地方移住を検討してみると良いでしょう。
現在、政府では地方移住者に向けて最大100万円の支援金を支給しています。(地方起業の場合は最大200万円)こちらも併せてご覧ください。
→参照:内閣官房・内閣府総合サイト 「ふるさと求人・移住支援金・起業支援金」
地方移住後の感想を独自インタビュー
今回はyoiwork求人に登録している日本人求職者4名から話を聞けました。ご紹介する4名の方に共通しているのは、元々都市部在住の会社員でしたが、ある時に地方生活に興味を持ち、地方移住を果たしたということです。
今回の体験談では、地方移住にメリットを感じた方と、地方での生活に馴染めなかったと感じた方それぞれをご紹介します。
新型コロナウイルス感染予防のため、オンラインにてインタビューにご協力いただきました。※写真はイメージです。
【Sさんの体験談】今のスキルを活かして地方創生に役立つ
Sさん
移住前住所:東京都豊島区
移住後住所:兵庫県明石市
業界:IT業界→IT業界
給与:同
生活費:減
ストレス度:減
「東京にいる必要がどんどんなくなっていきました」
そう語るのは、東京都内から兵庫県明石市に移住をした、Sさんご夫妻。
Sさんご夫妻は、東京都内に本社を構えるIT大手に勤務しています。こちらの会社ではコロナ禍の影響もあり、社員のフルリモート勤務を導入。当初は、都内のマンションで、リビングと寝室に分かれて仕事をしていました。
しかし、冒頭の言葉のように、リモートワークならば東京にこだわる必要はないのではないか?と疑問をいだき、夫婦で話し合った結果、地方移住をすることを決意しました。
縁もゆかりもない土地である、兵庫県明石市へ移住を果たすと、新居は都内で暮らしていた時の約2倍の広さになりました。海に面したマンションから見える景色は絶景です。
「オンライン会議が終わってふっと窓の外を見るだけで気分が和らぎます」とSさんは言います。
会社では副業も認められており、Sさん夫妻は本業の合間を縫って、市長と面会をしたりと活動の範囲を広げています。
「自分のスキルが地方創生に役立つかもしれない。今後のキャリアに繋がれば良いですね」と、将来のキャリアも意識しています。
【Yさんの体験談】自分がその土地に住んでいる姿をイメージすることが大事
Yさん
移住前住所:神奈川県川崎市
移住後住所:神奈川県小田原市
業界:IT業界→IT業界
給与:同
生活費:減
ストレス度:減
「移住して正解です。メリットしか感じていません。」と、笑顔で話すのは都内のIT企業に勤務するシステムエンジニアのYさん。
以前は川崎市の自宅から満員電車通勤をしていましたが、コロナ禍の影響もあり、職場はテレワークに移行。それをキッカケに、Yさんは神奈川県西部の小田原市に引っ越しました。
「18時の定時で仕事が終わったら、そのまま釣りに出かけます。」
海釣りの場所は自宅から自転車でわずか5分。釣り上げた魚と地元の野菜で料理を楽しみます。「以前はコンビニ弁当やスーパーのお惣菜ばかりだったので、移住後は体調も良くなりました。」
そして地方移住を成功させる秘訣としてこう語っています。
「都内に比べて不便も多いですが、移住する前に自分がその土地に住んでいる姿をイメージすることが大事だと思いますね」
【Mさんの体験談】人付き合いが苦手な人にとって地方移住はストレスになる
Mさん
移住前住所:東京都江東区
移住後住所:山形県置賜地方
業界:メーカー→製造卸
給与:減
生活費:減
ストレス度:増
「対人コミュニケーションが苦手なので、人が少ない田舎に引っ越したら逆に大変でした」と話すのはMさん。元々は都内の会社員でしたが、職場の飲み会の多さや、人間関係にわずらわしさを感じていました。
そこで、「人とあまり関わらない生き方をしたい」と考え、元々田舎暮らしに憧れもあったことで、思い切って地方移住をしました。
移住先では、地域の方に温かく迎え入れて頂き、当初は上手くやっていける気がしていました。
しかし、その町は地域イベントが多いことや、なにかと集会がありました。またMさんは30代ということもあり、力仕事をお願いされることも少なくありませんでした。新参者の自分がそうしたお願いを断るわけにもいかず、そうしたイベントやお願いごとを全て聞いている内に、プライベートの時間がほぼなくなっていました。
「人付き合いだけで心が消耗してしまいました」と、自分には合わない環境であったことに気づき、わずか1年で都内に戻ることを決めました。
「都会は何でも手に入るので、本当に人と関わらないで生活したいなら都会の方が自由ですね。よく考えればわかるのですが、当時は地方がこんなにコミュニケーションが必要とは思いませんでした。」と語っています。
【Iさんの体験談】田舎では保守的で閉鎖的な人が多い
Iさん
移住前住所:千葉県市川市
移住後住所:高知県安芸地方
業界:人材営業→食品メーカー
給与:減
生活費:減
ストレス度:増
「田舎では閉鎖的で保守的な人が多いのも事実です。」と語るのは、Iさん。元々は都内の企業で営業職を勤めていました。
地方移住後に転職した会社は、地域密着型の食品メーカーでした。アナログ的な営業手法が時代遅れに感じ、Iさんはこれまでの自分の経験を活かせると思い、営業手法の見直しを提案しました。
すると上司に「余計なことをするな」と怒られてしまいました。その後も、何を提案しても「そのやり方は東京の会社だから出来るんだ、地方では通用しない」「東京で働いてたからって偉そうにするな」とまで言われてしまい、すっかりやる気を失ってしまいました。
地方ならば、今までのスキルを活かして、地域貢献やキャリアアップに繋がると考えていただけに、「地方移住は失敗でした」と、Iさんは後悔をします。
まとめ
地方移住に満足している方、失敗と捉えている方の両方の声をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
地方移住と聞くと、スローライフを送れる、人が優しい、チャンスにあふれてる、 といったことをイメージされる方が多いと思います。実際に、地方は人情味があふれる方が多く、モノや情報にあふれかえっている都会に比べてゆったりと過ごすことができるでしょう。
しかし、逆にいえば新しいことを始めることを嫌うといった保守的な面もあります。特に地方移住者の受け入れ経験が少ない村や町では、移住者に対し偏見の目を持つこともあります。
小さい町ほど、お互いが支えあって生活を営んでいますので、そうした地域文化を正しく理解しつつ、積極的に地域に溶け込む姿勢を見せることが大切であるといえます。
まずは、自分自身が送りたい生活と、それが実際に叶うかどうかのイメージを具体的にしておくことが重要です。興味がある町があれば、1週間~1か月程度滞在してみるなどして実際に生活をしてみることもおすすめです。