「地方就職、転職を考えているけれど、仕事に就けるか不安」といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実際には、地方には地域資源や観光資源を活かした様々な仕事があります。また、インターネット環境があれば、今や全国どこにいても仕事で収入を得ることが可能です。さらに、現在都市圏以外は人口減少が続く中、若い人の力を必要としている地域は日本中至る所にあります。
この記事では、地方でできる仕事を紹介していきます。地方就職・地方転職をご検討中の方はぜひ最後までご覧ください。
地方就職・転職でできる仕事10選
地域おこし協力隊
「地域おこし協力隊」とは、総務省が取り組んでいる地方創生事業の一つです。地域おこし協力隊の隊員は、過疎地域などに生活の拠点を移し、地場商品の開発・販売・PRなどの地域おこしの支援や、その地域への定住・定着を図るという取り組みを行っています。
任期は1～3年で、活動期間中は400万円を上限とした活動報酬・活動経費の支援があります。参加する隊員の約8割が20代・30代で、任期終了後は、約6割が同じ地域に定住するという成果を生んでいます。
給料：△ 上限400万円のため前職に比べて総収入が得る可能性が高い
通勤：〇 自治体が住まいをサポートしてくれる可能性がある
食費：〇 活動内容によって食事がふるまわれることもある
健康：◎ 人とコミュニケーションをとるので心身ともに健康になる
店舗運営
古民家カフェ、パン屋、民宿、陶芸工房、サロンなど、古民家などを活用した店舗運営が可能です。
人口減少により地方には空き家が増えています。そうした空き家を安く購入して、自分でDIY・リノベーションをすれば費用も抑えながら、自分独自のお店を持つことが可能です。
地方自治体では「空き家バンク」と呼ばれる、空き家物件の仲介も行っています。
「ニッポン移住・交流ナビ」公式サイト（一般社団法人 移住・交流推進機構）では、全国の空き情報や自治体の支援情報を発信しています。
給料：◎ 事業として儲けがでれば学歴・職歴なしでも稼げる
通勤：◎ 店舗兼自宅にすることで通勤時間0になる
食費：〇 業態によるが飲食店であれば食事ができる
健康：△ ワンオペになると休みがとりにくく過労になる可能性がある
一次産業（農業・畜産業・林業・漁業）
地方には広大な土地やきれいな水など、自然資源が豊富なので、お米・野菜の栽培や、牛や豚の飼育といった一次産業が盛んです。
近年では人手不足の影響から、外国人労働者を技能実習生として受け入れる事業者も増えてきました。
一次産業に関しては、その年の気候状況により収穫量や品質が不安定であるため、特に個人事業主の場合は収入にも影響する場合があります。
そうした不安定要素から働き手を守るために、昨今では法人化している農業法人も増えており月給制で安定した収入を得ながら就農することも可能です。
給料：〇 農協に卸すと大きくは稼げないが、飲食店に直接卸すなどの営業活動が必要。収穫期以外は別の仕事を行う必要がある
通勤：〇 自宅と畑・田んぼが近ければ移動に時間はかからない
食費：〇 育てる作物によるが、農園・果物栽培であれば食費が浮く
健康：◎ 精神的ストレスが少なく身体を動かすので健康に良い
自伐型林業
自伐型林業（じばつがたりんぎょう）とは、林業を森林組合に任せるのではなく、山林所有者が自ら森林の整備を行うことです。
山林の管理に関して多くの場合、森林組合が行う大規模林業が進められていますが、昨今では山林保有者が自ら伐採・搬出を行い、収入を得る小規模林業の普及が進んでいます。
小規模林業のメリット
・初期費用が低い
・参入障壁が低い
・資源が豊富
給料：◎ 職歴なしでも未経験から始められる。月20日働いて60万円以上稼ぐことも可能
通勤：△ 山林の伐採場所まで時間がかかる
食費：〇 山菜やキノコなど山の幸を取れることもある
健康：◎ 空気が美味しい山の中で仕事をするので健康に良い
起業・小商い
起業というと、緻密な事業計画や経営に関する知識などが必要と感じるかもしれませんが、今や起業のハードルは限りなく低く、資金0でも会社を興すことは可能です。
地方には資源や文化が多く眠っています。そうした資源を活かして雑貨などを制作し、ECサイトを構築してインターネット販売を手掛けることが可能です。
例えば、ネットショップ構築サービスのBASEは誰でもかんたんい自社のECサイトを作成することが可能です。楽天やAmazonといった大手ECサイトに商品を登録しなくとも、自社サイトとしてショップ運営が可能です。
直接店舗を持たなくとも、ネットショップ専業とすれば家賃を掛けずに、自宅でネットショップの運営が可能です。
地方自治体では、地方で起業考えている人に対し、さまざまな助成金・融資も行っています。手元に運転資金がなくとも、「これやってみたい」という気持ちがあれば、いきなりビジネスをスタートさせることも十分可能です。
給料：〇 商品単価、売上件数による。サイト運営力が試される
通勤：◎ 自宅を店舗にすることで通勤時間を0にできる
食費：〇 食材加工品など（果物ジャムなど）で
健康：〇 商品企画・販売・売上管理まで全て行うので対応に追われる可能性もある
民間企業への転職
地方での仕事選びで最も一般的な方法は、民間企業への就職・転職ではないでしょうか。探し方としてはハローワークや転職サイトに登録することで、該当地方の求人情報閲覧ができます。
転職サイトでは、希望条件や興味のある業界・業種で絞込みが可能です。最近では、Uターン・Iターン希望者が増えたことで、各転職サイトでは地方就職・地方転職特集を設けているところもあります。
転職サイト以外には、人材紹介会社を経由して仕事を紹介してもらうという手段もあります。人材紹介会社では一般転職サイトには公開されていない採用情報も保有していますし、給与など雇用条件に関することを転職希望者に代わって交渉してもらうことも可能です。
地方就職・地方転職情報の探し方についてはこちらの記事も併せてご覧ください。
→「2021年トレンド予想！「地方就職」を徹底解説」
給料：△ 都市圏や前職と比較して減収になる可能性が高い
通勤：〇 勤務地までは車で移動。ただし渋滞などはほぼ見られない
食費：△ 給料が減る場合、食費に回せる費用が少なくなる
健康：〇 週休2日制、夏季休暇など労働条件い沿った固定の休みが取れる
介護・高齢者支援
国内の高齢化が進んでおり、特に地方の高齢化率は著しく進んでいます。内閣府の調査によると、令和47年（2065年）には、約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上になると予想されています。
今後地方では高齢者の生活支援やサポートに関する仕事が増えるでしょう。一般的には高齢者支援というと、訪問介護や介護施設で働くことをイメージされるかと思いますが、送迎や代行業（家事・掃除・買い物などの需要もあります。
豪雪地帯では雪かき・雪囲いなどのニーズもありますし、パソコンやスマホの設定などに困る方も多いようです。形に捉われず、高齢者の生活を支えるという観点を持つことで、あらゆることをサービス化にするアイデアが見つかります。
給料：△ 労働量の割に給料は低い。都市圏に比べて減収になる可能性が高い
通勤：〇 主に介護施設や病院。訪問介護の場合は利用者宅まで移動時間が異なる
食費：△ 給料が減る場合、食費に回せる費用が少なくなる
健康：〇 週休2日制、夏季休暇など労働条件い沿った固定の休みが取れる
クラウドソーシング
今やパソコン・スマホがあればどこでも仕事を請けることが可能です。探し方としては例えば、ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングシステムを活用することで、地方で生活を送りながら都市圏の仕事を請けることも可能です。
具体的には、WEBサイト制作、イラスト・デザイン、動画編集、WEBライター、プログラミング、小物作り・・など様々です。
他にも講師として、オンラインでセミナーを開催することもできます。インターネットを活用することで、個人が持つスキルをかんたんにビジネスとして発信することが可能です。
または、YouTuberとして田舎暮らしを公開することで、地方移住・地方就職に興味があるフォロワーが増えるかもしれません。YouTubeは再生回数によって広告収益が得られます。
お笑い芸人のヒロシが運営する「ヒロシちゃんねる」はソロキャンプという分野を開拓し、チャンネル登録数は100万人を超えています。
給料：◎ 都市圏の相場で仕事を請けることができる（例 Web制作1本10万円など）
通勤：◎ 自宅であれば移動時間0
食費：〇 都市圏からの移住の場合、食費が抑えられる
健康：〇 デスクワークが多い。人とも関わらないので作業量によっては気持ち的に辛くなることも
事業継承
事業継承は、事業主の方から会社の経営権や理念、資産、負債など、事業に関するすべてのものを引き継ぐことです。特に地方では、人口減少や少子化の影響もあり、事業継承に悩む経営者・オーナーが増えています。
業態も多岐に渡り、農業・伝統産業・製造業・サービス業などがあります。昨今では個人M＆Aの注目が高まっており、M＆Aのマッチングを手掛けるポータルサイト上では、地方企業も多く売りに出ています。
M＆A案件の探し方としては例えば、M＆A成約支援サービスのBatonzでは累計8,000件以上のM＆A案件を有しています。中には数百万円の金額で売りに出ている事業もあります。
サラリーマンの貯金程度の金額でも手に届き、イチから創業しなくとも、設備・人・資産が入るということで、リスクを抑えて経営者に転身することが可能です。
給料：◎ 役員報酬になる
通勤：〇 場所による
食費：◎ 接待費用などは経費計上ができる
健康：△ 従業員の管理やトラブル時の責任対応など気を配ることが増える
土木建築・電気設備・公共工事関連の仕事
地方でも安定した仕事量があるのが、建築・土木・設備などの公共工事関連の仕事です。道路やダム、公共施設など自治体の入札により安定した仕事があります。
地方には民間企業が少ない分、手に職として地元の工務店などに就職する方が多いです。未経験の場合下積み期間として建設会社などに就職をし、独立を視野に入れて経験を積むと良いでしょう。資格を得ることで、より単価の高い仕事を請け負うことが可能です。
地方は高齢化が進んでいるため、体力豊富な若手人材はどこからでも求められるでしょう。
給料：△ 下請けの場合が多いため給与は低い
通勤：△ 作業現場によっては早朝から移動することも
食費：〇 収入による
健康：△ 肉体労働なので足腰を痛めやすい
まとめ
地方就職・地方転職でできる仕事10選を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
都心は人や物があふれており生活に困ることはありませんが、その反面複雑な人間関係や仕事のストレス、生活費の高さなど何かと問題が生じます。
その反面、地方は人や物こそ少ないものの、自然資源や地域に根差した伝統文化・産業があります。地方企業への転職だけではなく、インターネットやクラウドサービスを活用することで、今や場所の制約を受けずに日本中どこにいても仕事が可能です。また、ちょっとしたアイデアや相違工夫次第で自分でビジネスを開始することも可能です。
人生100年時代が到来し、自分にとっての幸福の尺度を見直す方が増えています。ぜひ地方暮らし・地方での働き方に参考にして頂けたら幸いです。